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 高齢者や障害者ら災害弱者をどう支えるか。台風19号で改めて課題が浮かんでいる。

 逃げ遅れて亡くなった人は、高齢者が目立つ。福島県いわき市では足腰の不自由な86歳の男性が背丈の高さにまで迫った水から逃れられず、自宅で亡くなった。

 浸水した自宅から救助された人の中には、認知症の高齢者を抱え避難所で迷惑を掛けたくないと避難をためらっていた人がいた。

 障害のため、避難の情報が伝わりにくいケースもあった。

 耳が聞こえない長野市の男性は本紙の取材に、防災行政無線や携帯電話に届く緊急速報メールの警告音が聞こえず、深刻さが分からなかった体験を語っている。

 近所の女性が慌てた様子で窓をたたくのを見て、ようやく事態の重さを認識したという。

 命を守るには状況が緊迫する前の避難が最も有効だ。行政も、避難勧告の1段階前に当たる発令の表現を「避難準備・高齢者等避難開始」とするなど、早期避難の重要性を明確にしている。

 情報が伝わらなかったり避難をためらわせたりするようでは、事前避難は難しい。孤立しがちな災害弱者の視点に立って、対策を点検する必要がある。

 災害対策基本法は2014年、「避難行動要支援者名簿」の作成を自治体に義務付けた。国は指針で、名簿を基に支援者や避難先を決めておく「個別計画」を作るよう市区町村に求めている。

 今年9月の共同通信の調査によると、計画作成を完了したのは県庁所在地など調査対象の全国74市区のうち、3市にとどまる。

 計画作成を実質的に担っているのは自治会や民生委員である。いざというときに家族以外で頼れるのは隣近所だろう。住民同士の共助に対する期待は大きい。

 地域全体の高齢化で支援者の確保は困難だ。民生委員らの負担が重すぎないか。都市部では人々のつながりも希薄になっている。

 計画作りを進めるならば、ケアマネジャーや障害者団体など関係する幅広い個人・団体の力が欠かせない。国は任せきりにせず、課題を洗い直してほしい。

 災害弱者は避難先でも困難に行き当たる。支援が必要な人向けの福祉避難所もあるが、周知されているとはいえない。活用について検証が必要だろう。

 鳥取県から手話通訳者が来るなど、長野県内の避難所では今回、他県の応援も災害弱者支援の力になっている。枠を超えた広域の支え合いも積極的に進めたい。