http://www.iwate-np.co.jp/fudokei/y2016/m03/fudo160329.htm
革命は空気のように、誰も気付かぬうちに進む。18世紀に英国の片田舎で始まった工業化を当時、産業革命だと思った人はいなかった
▼目の前で起きていることを、人間は大きな変化と感じにくい。学者でさえ技術革新の意味を見過ごしていた。「馬にできることを機械がやることはない」と強弁した学者もいる(ウルリケ・ヘルマン著「資本の世界史」)
▼時は移り、現代は第4次産業革命の中にある。その根幹をなす人工知能は命名60年を迎えたが、言い換えれば60年も見過ごされてきた。囲碁のトップ棋士を圧倒したことで、やっと人々が革命に気付き始めたのかもしれない
▼人工知能が小説を書いて賞に応募する時代になった。驚異の進歩ではあるが、作家や記者ら物書きの職も奪われる、と危ぶむ必要はないらしい。与えられた言葉を並べるだけで、まだストーリーの創造力には欠けるという
▼例えば、きょう施行の安全保障関連法の条文は人工知能には書けまい。人間が憲法を極限まで解釈し、自衛隊の活動を広げた。憲法をどう読めばこう書けるのか、機械が遠く及ばぬ創造力ではないか
▼「人間にできることを機械がやることはない」と18世紀の学者なら言うだろう。血の通った人を困難な地に送る法は、血の通った人の手で長く検証し続けなければならない。
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