http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062502000132.html
衆院小選挙区定数を「〇増五減」するための新しい区割りを盛り込んだ改正公職選挙法が成立した。しかし「一票の不平等」解消には程遠い。国会は抜本改革に踏み込まなかった怠慢を猛省すべきだ。
衆院小選挙区定数を「〇増五減」するための新しい区割りを盛り込んだ改正公職選挙法が成立した。しかし「一票の不平等」解消には程遠い。国会は抜本改革に踏み込まなかった怠慢を猛省すべきだ。
「〇増五減」とは何か。
一票の格差が二倍を大きく超えた二〇〇九年衆院選を、最高裁が一一年三月の判決で「違憲状態」としたことに対する、最低限の是正である。本来なら一二年十二月に行われた衆院選前に処理しておくべきものだ。
この不平等を放置し、違憲状態のまま突入した一二年の衆院選にも「一票の不平等」訴訟が提起された。すでに多くの高裁が「違憲」判決を出し、そのうち二つの高裁は選挙「無効」に踏み込んだ。
安倍晋三首相は改正法成立後の国会答弁で「一票の格差は解消したものと考える」と胸を張った。
しかし、〇増五減をしても、一〇年の国勢調査後の人口移動で格差はすでに二倍を超えたとの試算もある。二倍近い格差を残したままで平等か、という議論もある。
一票の不平等は参院でより顕著だ。昨年「四増四減」の是正をしたが格差は依然四・七五倍ある。
弥縫(びほう)策を繰り返してはいつまでも不平等はなくならない。より踏み込んで、法の下の平等を追求するのは国会の責務ではないのか。
くり返し主張してきたが、選挙制度の抜本改革は、首相の諮問機関の選挙制度審議会のような第三者機関に委ねるしかあるまい。
今国会中に結論を出すと合意した定数削減や抜本改革に関する協議が遅々として進まなかったように、各党間の協議に委ねていてはいつまでも結論が出ないからだ。
立法府の根幹にかかわる選挙制度を行政府に委ねることに抵抗感があるのなら、議長の下に諮問機関や協議機関をつくってもよい。
この際、衆参双方の選挙制度をそれぞれの位置付けや役割分担に踏み込んで抜本的に見直してはどうか。衆参両院の定数もただ減らせばいいものではなく、抜本改革の中で適正水準を決めるべきだ。
衆院小選挙区は限りなく格差一倍に近づくよう区割りをするか、それが困難なら死票の多い小選挙区から、比例代表制などに移行するのも選択肢だろう。
年間三百二十億円を共産党以外の政党に配分している政党交付金も見直し対象にすべきだ。政党収入の多くを交付金が占めて、もはや「国営」と化した政党に、国民の側に立った政策が実現できるかどうか、甚だ疑問だからである。
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