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投稿者 一市民 日時 2010 年 5 月 25 日 19:17:25: ya1mGpcrMdyAE
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(転載者注:一部明らかな誤字脱字と思われるものは、転載者の責任にて訂正した)
敵を間違えるな
2010年5月25日(火)@ 15:57 | 雁屋哲の美味しんぼ日記
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カテゴリー:雁屋哲の美味しんぼ日記
投稿日時 :2010年5月25日(火)@ 15:57
鳩山首相が沖縄県知事に面会して、普天間基地移転問題について、「辺野古周辺にお願いするしかなく、県外に移転すると言う公約を守れなかったことをお詫びする」と言った。
鳩山由紀夫氏の今回の基地問題についての敗北宣言である。
「ほら、鳩山は出来なかった」と、新聞・テレビははやし立て、沖縄の人びとは「鳩山は裏切った」とか「鳩山は嘘をついた」などと言って怒っている。
私は、鳩山由紀夫氏を支持する者ではないが、これまでの経過を冷静に見ると、当然の帰結だと思う。鳩山由紀夫氏は、公約を守ることが出来なかったのは事実だが、一体今の鳩山由紀夫氏のような立場におかれて公約を守ることの出来る政治家がいるだろうか。
鳩山由紀夫氏が公約を守ることが出来なかったのは、氏個人だけの責任ではない。
我々日本人全体の責任だ。(戦後の「一億層懺悔」の真似をしようと言うのではない)
私の考えをまとめよう。
1)鳩山由紀夫氏はアメリカに負けた。
2)基地問題に於いて、日本人が戦うべき相手はアメリカである。
アメリカと戦おうとしている鳩山由紀夫氏の足を掬い背中から攻撃をする。
日本人は、自分たちの敵を間違えている。
敵は鳩山由紀夫氏ではない。アメリカだ。
鳩山由紀夫氏が戦後の日本の首相として初めてアメリカと戦おうとしているのに、日本人は一致協力するどころか、鳩山氏の足を引っ張った。
3)日本人は、アメリカの基地問題に本気で取り組む気概を失っている。沖縄県人の苦しみを、他県の人間は自分の物とせず、他人事のように思っている。
まず、1)について。
朝日新聞社のAERAの5月24日号に、内田樹氏が、
「『無法を止める』から始める基地問題」
と題して次のように書いているので、引用させて頂く。
「沖縄米軍基地について、日本政府は過去65年にわたって『東アジアの地政学的安定のために不可欠』だという説明を繰返して、沖縄の人々に非道な犠牲を強いてきた。ここに貫かれているのは『属国は宗主国の要求がどれほど無法でも受け容れるしかない』というワイルドなルールであり、アメリカ・日本・沖縄は立場を入れ替えながら、同じ図式を反復してきた。
(途中要約〈冷戦は終わり、アメリカはかげりが見え、東アジアに基地はもう要らないという声がアメリカ国内にもあり、フィリピンのクラーク基地、スービック基地から撤退し、韓国内の基地の劇的な縮小を決めた〉)
その中にあって、日本についてだけアメリカが基地撤去を受け容れないのは、東アジア唯一の敗戦国に対しては『無法が通る』と思っているからである。
(途中要約〈それと同じように、日本政府が沖縄県民に犠牲を強いているのは、沖縄には『無法が通る』と思っているからである〉)
日本政府はまずおのれの『無法を止める』ところから始めるしかないだろう。
そのときはじめてアメリカに対して『無法を要求するな』という『倫理的』権利を手にすることができると私は思う。」
氏は、これまで日本政府は「属国は宗主国の要求がどれほど無法でも受け容れるしかない」という「ワイルドなルール」に従って、沖縄の人々に非道な犠牲を強いてきた、と言っている。
正にその通りで、この65年間日本政府は沖縄の基地問題に限らずアメリカに奴隷のごとく仕えてきた。
「ワイルドなルール」を押しつけてきたのは沖縄の基地問題でけではない。
アメリカは、日本のすることなす事全てに、「ワイルドなルール」に従うように強要してきた。
それを示す物が、「年次改革要望書」であり、「思いやり予算」である。
この、過去の日本政府が積み上げてきた、属国としての奴隷的政策を理解しないと、沖縄基地問題を解決出来ない。
◎「年次改革要望書」とは、アメリカが日本の産業、法制度、などについてその要求事項を日本政府に毎年送りつけ来る通達書である。
それがどのような範囲に及ぶかというと、
通信、情報技術、医療機器・医薬品、金融サービス、競争政策、商法および司法制度改革、透明性、その他の政府慣行、民営化、流通、
なんと、日本の社会の重要な分野全てに及んでいる。
(2008年度の要望書は、アメリカ大使館のホームページに掲載されている。
http://japan.usembassy.gov/pdfs/wwwf-regref20081015.pdf
2004年度の要望書は、アメリカ大使館のホームページに掲載されている
http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-j20041020-50.html)
これは、要望などと言う生やさしい物ではない。
日本に対して、「こうしろ」という命令書である。
この要望通りに事が進んでいるか、日米の担当官が定期的に会合を持って点検する。
アメリカの通商代表部は日本政府に圧力をかけて、要望書通りの実行を求めるのだ。
どんな要望をしているか、その一例を挙げる。
「農業に関連する慣行:有機農産物輸入、安全な食品添加物、収穫前・収穫後農薬の検査制度に関してCODEX基準に準拠する。最大残留農薬基準に関して、できる限り貿易を制限することがない効果的な輸入措置を取る。 」(CODEXとは、独立行政法人・農林水産消費安全技術センターによれば、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機構)が合同で、消費者の健康保護や公正な食品貿易の確保を目的に作る食品規格のこと)
これを読んで、私は、腹の底から怒りがこみ上げてきた。
我々日本人が、自分たちの健康を守るために、自分たちの決めた安全基準を決めるのは当然のことだろう。
それを、こんなことをどうしてアメリカに指図されなければならないのだ。
一番の問題点は、「最大残留農薬基準に関して、できる限り貿易を制限することがない効果的な輸入措置を取る。」というところだ。
これは、言い換えれば、「アメリカの農産物の残留農薬について、うるさいことを言わずに輸入しろ」、と言うことだ。
日本は、アメリカから大量の食料を輸入している。
大豆は日本人の食卓に欠かせない物だが、その大豆の自給率は5パーセントでしかなく、74パーセント以上はアメリカから輸入している。
大豆、小麦、などは栽培中は勿論、収穫した後も虫食いなどを防ぐために収穫後(ポストハーベスト)に農薬を使う。
その農薬残留基準を高くすると、大豆を始め、アメリカの農産物の日本に対する輸出が不利になるから、そんなことはするなと言うのである。
そんなことは余計なお世話、と言うより悪質な内政干渉だ。
自分たちの食べ物の安全性は、自分たちで判断して決める。
どんな基準であろうと、それに従えと、アメリカに言われる筋合いはない。
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