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気になるニュースを転載しています。

2021年07月

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021072600126

 打開策はなく、ただ流されているだけのように見える。

 東京電力が発表した新たな経営再建計画である。2011年の福島第1原発事故に伴う賠償や廃炉、除染などに必要な巨額の費用を、どう捻出していくかが問われている。

 12年から策定しており、今回は第4次の計画だ。17年の前回計画の枠組みを引き継ぎ、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に収益改善を頼る内容となっている。

 柏崎刈羽は今年、核物質防護の不備が発覚し、原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令を受けた。今後予定する本格検査の結果によっては、原子炉設置許可が取り消される可能性もある。

 再稼働に向けては、未完了の安全対策工事を完了したと説明するなど、核物質防護の問題以外にも東電のずさんな対応が次々に明らかになってきた。

 過酷事故の反省が根付いていない東電に、原発を再び運転する資格はない。その東電が、事故の責任を果たすためだとして、いつまでも原発依存を続けている。

 東電は事故後、政府から1兆円の出資を受け実質国有化された。行き詰まりは国民負担に直結する。再稼働を想定しない計画へ抜本的に見直していくべきだ。

 賠償と除染の必要額は計11兆9千億円。原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて国が資金を出し、東電と原発を持つ大手電力が協力して返済する。廃炉費用は8兆円を見込み、東電が積み立てる。この想定は前回と同じだ。

 これらを賄うため、毎年5千億円の確保を目指していくとの方針も据え置いている。

 再生可能エネルギーへの注力も打ち出したが、電力自由化による顧客流出もあり、十分な収益確保は見通せない。一方、柏崎刈羽で1基稼働すれば年間500億円の収支改善が見込めるとした。

 想定通りに進まない可能性が高いのは、再稼働に限らない。

 廃炉作業中の福島第1原発にたまり続ける処理水の放出方針が決まり、漁業者に風評被害が生じると新たな賠償が必要になる。廃炉は作業が遅れており、費用はさらに膨れ上がる恐れがある。

 12年の当初計画は、柏崎刈羽を13年度に再稼働させ、10年代半ば以降の早い時期に国が持つ東電株の割合を減らして国有化を終えるとしていた。見る影もない。

 甘い想定を積み重ね、問題の先送りを続けているのが実態だ。原発頼みの枠組みから転換しなければならない。

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021072900181

 新型コロナの感染第5波が、これまでにない勢いで日本列島を覆った。感染のリバウンド傾向が見られた東京都など首都圏から、4連休を経て一気に全国に波及した格好だ。

 きのう新たに報告された感染者は過去最多の9583人に上る。東京に4回目の緊急事態宣言が出されてから17日間で1日の新規感染者数が6倍以上になった。

 特に急増しているのは、宣言下で五輪を開催中の東京だ。きのうの新規感染者は3177人で、全国の33%を占める。

 重症者用病床の使用率や入院率は26日時点で爆発的感染拡大を示す「ステージ4」に達していた。入院調整中や自宅療養者は数千人規模に膨らんでいる。

 都は、都内の医療機関に対し、コロナ病床拡充のため、救急医療の縮小や停止、手術の延期などを例示して対応を求め始めた。

 医療の逼迫(ひっぱく)が懸念される状況だ。新たな感染者を減らしていく対策の強化が急務になる。

 急拡大の様相が顕著になった27日、菅義偉首相は「強い警戒感を持って感染防止に当たっていく」と応じるだけで具体策を示さなかった。記者団に五輪中止の選択肢を問われると「人流(人出)も減っているので、そこはありません」と否定している。

 都内繁華街の人出は宣言後に減っているが、過去の宣言時より鈍い。五輪の会場周辺は人で混雑する状況も生じている。

 しっかりとした分析もなく安易に言葉を使い、誤ったメッセージとして伝わっていないか。五輪期間中、東京から地方に人が流れ、感染を広げていないか。早急に対策を練るべきだ。

 都の吉村憲彦福祉保健局長は同日、報道各社に「いたずらに不安をあおることはしていただきたくない」と要請した。医療提供体制の充実やワクチン接種の進展を強調。若い世代の重症化はまれとの認識も示している。

 医療現場の認識や危機感とかけ離れていると言わざるを得ない。

 65歳以上でワクチンを2度接種した人は全国で6割を超えた。重症者数や死者数は以前と比べて少ないとはいえ、事態を甘く見過ぎていないか。

 医療関係者から聞こえてくるのは、40~50代の入院患者の急増や、あらゆる世代に広がるインド由来のデルタ株の怖さだ。

 政府、各自治体は、国民に感染の状況や対策を丁寧に説明し、あらためて危機感を共有する機会を持つ必要がある。

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021072900674

 東京五輪に出場した選手らが、新型コロナ対策の規制のため早くも帰国し始めている。「もっと五輪の雰囲気を楽しみたかった」―。他の選手との交流や観光地訪問もできず、後ろ髪を引かれる思いのようだ。ロイター通信が報じた。

 感染拡大防止策として選手村に入村できるのは原則として競技開始5日前からで、競技終了後2日以内に退去することが義務付けられている。

 カヌー・スラローム女子金メダリスト、リカルダ・ファンク(ドイツ)は29日の帰国に先立ち「初めての五輪なのに本当に悲しい」と残念がった。

 豪ソフトボール代表は28日に帰国の途に就いた。到着後は14日間の隔離が課される。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1364480.html

 東京五輪は、史上最も高額な大会になることが確実視されている。公式発表による予算は154億ドル(約1兆7000億円)だが、日本の会計検査院によると、総支出額は200億ドルを超え、東京が五輪招致活動を始めた当初の予想額約74億ドルのほぼ3倍となる。これは、次に費用が高額だったロンドン五輪の総費用よりも110億4000万ドル多い。

 五輪関連費用に関するある調査によると、オリンピックはどの国でも開催可能だが、最も高額なメガイベントの一つだ。五輪開催にかかるスポーツ関連費用の平均額は120億ドル、スポーツ以外の関連費用は通常その数倍であることが、この調査で明らかにされている。東京大会の場合は、組織委員会によると、開催を延期したことで最終的な費用はさらに28億ドル加算されたという。

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1360620.html

 新型コロナウイルスのワクチン供給量が減少することを受け、自治体への影響が深刻になっている。

 琉球新報の取材では県内14市町村が集団接種に「影響がある」とした。共同通信のまとめでも都道府県所在地47市区のうち79%に当たる37市区が見直しを進めている。
 高齢者接種の7月完了、11月までの全国民への接種完了に向け、大号令をかけてきたのは、ほかならぬ政府だ。ワクチンの供給不足があってはならず、混乱回避へ政府が責任を持って対処すべきだ。
 全国知事会が11日に出した緊急提言は「ワクチン不足で現場が混乱している」と指摘している。
 ワクチン接種で政府全体の調整を担う河野太郎行政改革担当相は提言を受け、「1日100万回を超えていくとは正直、思っていなかった」と12日に述べている。供給不足の要因として、自治体による接種回数の伸びを予想できなかったとの認識を示したのだ。
 あまりにも無責任だ。この間の経緯を振り返れば、政府の甘い見通しが現在の混乱を招いたのは明らかだからだ。
 5月時点の政府発表は全国約9割の市町村で高齢者接種が7月末に完了するとした。実際は菅義偉首相の意向を忖度(そんたく)した総務省の担当者らが、自治体に前倒し要請をしたためだ。約17兆円の地方交付税を配分する総務省に圧力をかけられ、多くの自治体が無理を承知で「完了する」と答えたのが実態だ。
 それでも自治体は態勢を整え、接種を加速した。ところが予想を超えるハイペースに供給が追い付かなくなったのだ。政府は在庫を抱える自治体向けの配布を1割減らすという。8月前半の配布量は県内は希望の半分もない。在庫がなければ8月以降の接種計画をどう立てればいいのか。
 拍車をかけたのが職場接種に使うモデルナ製の不足だ。しかも不足する可能性を政府は把握していた形跡がある。
 河野氏は6日の会見で、4~6月に輸入を予定したモデルナ製が当初予定の4千万回分でなく、1370万回分になることを明かした。把握したのは「ゴールデンウイーク前ぐらい」(河野氏)という。
 少なくとも5月時点で絶対量が足りないのは分かっていたはずだ。職場接種を強行した結果、約3週間でモデルナ製の不足が明らかになった。職場接種は申請受け付けを停止する事態に追い込まれた。
 政府の対策に信頼感が全く持てない。これほどまでに甘いのは危機感が欠如しているからではないのか。
 ワクチンの供給量が課題となるたびに聞こえるのは「ワクチンは政権浮揚の手段」(閣僚経験者)、「高齢者接種が終わらないと選挙が打てない」(自民党国会議員)という国民無視の妄言だ。
 ワクチンは一政党の人気取りに使うものではない。国民の命を最優先とした供給計画を政府は示すべきだ。

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