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2019年04月

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-911254.html

 平成がきょうで終わる。基地問題に苦悩し続けた平成の沖縄だった。米軍基地の過重な負担を押し付ける構図は次の令和で断ち切るべきだ。

 平成に入って7年目。激動の今につながる起点として忘れてはならないのが1995年から96年にかけての出来事だろう。
 95年9月に発生したのが米兵による少女乱暴事件である。このおぞましい事件を機に、くすぶっていた県民の怒りが噴出、県民大会につながった。県民要求で掲げられたのが日米地位協定の改定、基地の整理縮小だった。
 振り返ると、地位協定は改定されておらず、運用改善もおざなりだ。基地の整理縮小に向けた動きは始まったものの、普天間飛行場の返還も県内移設の条件付きであり、多くの県民が納得できる道筋は示されていない。
 そして少女乱暴事件の前後で進行していたのが大田昌秀知事(当時)の代理署名問題だった。米軍用地の契約拒否地主に代わって署名するよう国から求められ、大田知事は拒否した。国が職務執行命令訴訟を起こすに至り、結果的に96年8月、県は敗訴した。
 米軍基地の前に人権や自治権は踏みにじられ、それが今も続いている。
 事件は後を絶たない。2016年に元海兵隊員の軍属の男がうるま市で女性を暴行し殺害した。そして今月も北谷町で米海軍兵が女性を殺害している。
 事故も相次ぐ。04年に宜野湾市の沖縄国際大学に米海兵隊のCH53D大型輸送ヘリが墜落した。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは、反対の声を押し切って強行配備され、16年12月に名護市安部に墜落した。
 元号が平成から令和に変わっても沖縄が置かれる厳しい現実に変わりはない。
 それでも基地から目を転じれば希望と期待の萌芽(ほうが)もあちこちに見られた平成だった。景気の浮き沈みはあったものの、観光は好調で、18年度は1千万人近い人々が来訪した。
 文化面では2000年にユネスコが首里城をはじめとする琉球王国のグスクと関連遺産群を世界遺産に登録した。伝統芸能の組踊も10年、無形文化遺産に登録された。
 芸能面も県出身者らの活躍が目覚ましかった。記憶に新しいのは安室奈美恵さんの昨年の引退だ。県民に自信と勇気を与え、有終の美を飾った。
 スポーツ面では、甲子園で沖縄水産が準優勝、沖縄尚学が優勝、興南が春夏連覇の偉業を達成し、県民を沸かせた。
 女子プロゴルフの宮里藍さんの大活躍も記憶に鮮明だ。バスケットボールBリーグの琉球ゴールデンキングスやサッカーJ2のFC琉球など、プロスポーツチームも次々誕生した。
 令和の時代には、県民の望む方向で基地問題を解決させ、子どもたちが健やかに育ち、その才能を開花させる沖縄を築かなければならない。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-04-30/2019043001_06_0.html

 そこは鉄条網と監視塔に囲まれた「砂漠の刑務所」でした。寒さに震えて目を覚ますと、床板や部屋のすき間から吹き込む砂ぼこりに体中がまみれていました▼米ロサンゼルスから北へ320キロ、シエラネバダ山脈のふもとにあるマンザナー。酷暑と寒風が吹き荒れる殺伐とした地は太平洋戦争中、日系人を連行した最初の強制収容所がありました▼「ジャップはどこにいようとジャップだ」「日本人の血が一滴でも混じっていれば収容所に送り込む」―。日本軍による真珠湾攻撃後、敵性外国人として排斥された日系人は苦労して築いてきた財産や土地を取り上げられました▼そのとき、ヒステリックになって人種差別をあおったのが政治家やメディアでした。植え付けられた偏見は戦後も続き、各地の収容所で苦難を味わった人たちの証言、国に謝罪と補償を求める運動が起きました▼そのマンザナー収容所の跡地で50回目の節目となる追悼式典が開かれました。「人種を理由に差別することは二度とあってはならない」。参加者は白人至上主義や憎悪の広がりを止めなければならないと呼びかけました▼「マイノリティーに対する恐怖と偏見を誇張するのは簡単なことだ。それは、そのような恐怖を推し進めようとする人々の政治的目的を果たすことが多い」。強制収容の不当を訴えたフレッド・コレマツさんは生前、差別を再び正当化するような空気に警鐘を鳴らしていました。歴史から学ばなければ、民主主義はつねに危機にさらされると。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-04-30/2019043001_05_1.html

 人工知能(AI)を利用した自律型致死兵器システム(殺人ロボット)の研究・開発が進み、近い将来、実戦利用される危険が高まっています。殺人ロボットをめぐっては“戦争の敷居を下げる可能性がある”などさまざまな問題点が指摘されています。国連の議論では法的拘束力のある禁止条約を求める声が出ています。各国政府だけでなく、企業、研究者、NGOなども交えて、規制・禁止に向けた国際的な合意をつくることが必要です。

AIに人命ゆだねるのか

 自律型致死兵器システムは、人間の関与なしにAIが自ら標的を選択し、攻撃する兵器です。対象の認識、選択、攻撃、交戦の過程で、人間はまったく関わりません。戦争のあり方を根本的に変え、火薬、核兵器に続く「第3の軍事革命」になるといわれています。

 国際NGOの調査によると、米国、英国、ロシア、中国など少なくとも12カ国が殺人ロボットを開発中です。これらの国は、推進する理由として、AIの活用によって人間よりもいっそう正確、迅速、冷静に標的の選択や攻撃を行えるとしています。戦地へ兵士が直接展開しないため死傷者を減らせるとも主張しています。

 しかし殺人ロボットの使用は、国際人道法や倫理に照らして重大な問題を抱えています。民間人の殺害、病院や学校の破壊など国際法に違反する行為があった場合、だれが法的な責任を負うのか、その基準すら不明確です。誤作動や判断ミス、暴発もありうるAIに人間の生命を奪う行為をゆだねること自体への批判は尽きません。「生身の人間の死傷が減る」という主張についても、それが逆に戦争の安易な開始を助長したり、新たな軍拡競争を招いたりする、と厳しく反論されています。問題点を置き去りにして開発だけが先行しているのは深刻です。

 国連では2014年から特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みで議論が続いています。今年3月に開かれた会合では全面的な禁止条約の交渉・制定を求める声の広がりが目立ちました。
 グテレス国連事務総長は会合の開幕に寄せたメッセージで、殺人ロボットは「国際法によって禁止されるべきだ」と強調しました。アフリカや中南米諸国、非同盟諸国を中心に、約30カ国が法的拘束力のある禁止を求めています。
 この流れに抵抗しているのが米ロなど開発を進める国々です。未完成の兵器を制限するのは“時期尚早”という主張ですが、こうした意見は少数派にとどまっています。会合に参加したNGOによると、出席した90カ国の大半は何らかの規制や禁止を求めました。
 欧州議会は昨年9月、欧州連合(EU)が殺人ロボットに反対し、開発・製造を国際的に禁止するよう求める決議を採択しました。昨年12月に世界26カ国で民間会社が行った世論調査では、61%が殺人ロボットに反対しています。

危険を直視した議論こそ

 日本の河野太郎外相は3月、「まったく人間が関与しない兵器の開発には反対」とする一方で、人口減少が進む中で安全保障を考えると「効果的かつ効率的な手段足り得る」とも述べました。殺人ロボットの危険を本当に直視しているのか。日本政府の姿勢と役割が問われています。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-04-30/2019043001_01_1.html

 安倍政権はいま、医療と介護の軸足を「予防・健康管理」と「自立」に移す計画を進めています。夏までに策定する政府の「健康寿命延伸プラン」にも、健康で長生きという国民の願いを逆手にとった、いっそうの社会保障費抑制策を盛り込もうとしています。(岩間萌子、北野ひろみ、佐久間亮)

医療・介護 貧弱なまま

 「病気予防や介護予防の保険者のインセンティブ強化は、20年来、私も執念深く取り組んできたが、今回はぜひ実現したいと考えている」

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 3月20日に官邸で開いた未来投資会議で、安倍晋三首相はそう語りました。
 背景には予防で社会保障費が減らせるという思想があります。厚生労働省は2013年、高齢者の介護予防や現役世代の健康づくりなどで5兆円規模の抑制効果が出るとの試算を発表しています。

 そのために考えられているのが目標達成へのインセンティブ(動機づけ、報酬)強化です。生活習慣を改善したり、スポーツクラブで運動したりした人に景品と交換できるポイントを付与する、特定健診(メタボ健診)の受診率などに応じて保険者に報酬や罰則を与える―などのメニューが並びます。

 例えば、大企業を中心につくられている健保組合では、特定健診の実施状況で後期高齢者支援金の負担額が加算(罰則)・減算(報酬)される仕組みがすでに入っています。安倍政権は、この加算率を現行の0・23%から最大10%まで引き上げるとしています。同様に国保や介護保険でもインセンティブ強化を狙っています。

 全国保険医団体連合会の松山洋事務局主幹は、高齢者医療への支援金が健保組合解散の要因になっているとし、支援金は本来、国が負担すべきもので、加算率引き上げは解散の動きを加速すると指摘。「医療や介護の貧弱な体制を放置したままインセンティブだけ強化しても効果が上がるとは思えない」と批判します。

介護外しで死亡・重症化

 介護では急テンポで予防の名による抑制が進んでいます。安倍政権は昨年末発表した「改革工程表」で要介護1、2を保険給付から外し、市区町村の裁量で実施する予防を目的とした総合事業に移行させる考えを打ち出しました。
 14年の介護保険法改悪で既に要支援1、2は総合事業に移行しています。しかし、肝心の総合事業は予防どころか、“高齢者いじめ”ともいえる結果を引き起こしています。典型が、厚労省が職員を特命副市長として派遣し、15年度から総合事業を開始した三重県桑名市です。

 同副市長のもと、桑名市が掲げた標語は「介護保険を『卒業』して地域活動に『デビュー』する」です。総合事業で介護予防に取り組み、介護保険を卒業して地域の体操教室やサロンなど住民主体のサービスにデビューする―。総合事業の評価指標を「卒業件数」としたうえで、総合事業卒業後、半年間、介護保険を利用しなければ事業者に1万8千円、ケアマネ実施機関に3千円、利用者に2千円を交付するインセンティブまで設けました。

 結果はどうか。桑名市による17年3月末時点の状況調査は衝撃的です。卒業後、介護保険サービスに戻った人が19%、保険を使わず自費で介護サービスを利用していた人が9・2%に上る一方、住民主体のサービスの利用は約16%にとどまっていたのです。
 桑名市の介護の実態に詳しい村瀬博・三重大学非常勤講師は、「死亡」が10・6%と同時期の厚労省調査と比べ3~5%近く高いことも示し、「卒業は名ばかりで、実態は介護保険サービスから切り離され、死亡や重症化しているのが実態ではないか」と指摘します。

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桑名市の総合事業のイメージ(同市ホームページから)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019043002000109.html

 女性飛行家の草分けで文筆家のアン・モロー・リンドバーグが「サヨナラ」について、「このようにうつくしい別れの言葉をわたしは知らない」と書いている。大西洋単独飛行のチャールズ・リンドバーグの妻である▼来日時の横浜港でたくさんの「サヨナラ」を耳にし、「サヨナラ」は「さやうならば」と知った。「GOOD BYE」(神があなたとともにありたもうように)などとは違い、「サヨナラ」はいわば接続の言葉であり、それ自体、何も語っていない。その半面、別れることをあるがままに受け入れている言葉だと感じた。多くを語らずともすべての感情が込められている。だからこそ「うつくしい」▼平成がきょうで終わる。思いは尽きぬだろうが、そのうつくしい言葉で見送るとする▼バブル経済の熱と欲。カネに振り回された日々よ。サヨナラ。「24時間戦えますか」にその気になり、必死に働いた、けなげな人よ、サヨナラ。オウム事件。何が起こるか分からぬ時代の到来に震えた朝よ、サヨナラ▼東日本大震災。悲しみに打ちひしがれる人にそっと置いた誰かの温かき手よ、サヨナラ▼そして平成よ。「平らかであれかし」の願い通り、戦こそなかったが、「平らか」とは言い難き日々とそこで懸命に生きた人よ。国が年を取るとするならば、働き盛りを過ぎ、黄昏(たそがれ)の兆しを見せた切なき時代よ。サヨナラ。

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