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気になるニュースを転載しています。

2016年09月

http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160929/KT160928ETI090004000.php

映画「シン・ゴジラ」で自衛隊は大活躍し格好良く描かれている。映画の人気は国民の自衛隊への揺るぎない支持が背景にあると思う―。安倍晋三首相は12日官邸で開かれた高級幹部との懇親会でこう述べた

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26日の衆院本会議では自衛隊員らをたたえるパフォーマンスをした。領土、領海を断固守り抜くとしたうえで夜を徹して任務に当たる隊員らに「今この場所から敬意を表そう」と呼び掛けた。演説を中断して拍手すると大半の自民党議員が起立して応じた

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テレビで見た時に感じた気味の悪さがまとわりついている。野党は「異常な光景。自画自賛だ」と批判した。それだけでは正体は見えてこない。国のために命を投げ出す。そんな空気への同調圧力が強まる不安だろうか。ネットでは「麗しい行為。何が悪い」という言葉が飛び交う

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〈成功に導くのが良い宣伝だ…重要なのは宣伝の水準ではなく、それが目的を達することである〉=平井正著「ゲッベルス」。ナチスのプロパガンダを担当した宣伝相ゲッベルスの言葉だ。政治のパフォーマンスの陰には目的が秘められていることも多い

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安保関連法が成立して1年。海外で自衛隊は初めて武器使用に踏み切るかもしれない。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)をめぐる新任務だ。自らの命も危険にさらされる。国会での「敬意」の拍手を隊員はどう受け止めただろう。

http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160930/KT160929ETI090003000.php

結論を急ぐ合理的な理由はあるのか。

 今国会で政府が成立を目指している環太平洋連携協定(TPP)の承認案件である。

 安倍晋三首相は所信表明演説で早期承認に決意を示し、衆院代表質問では「自由で公正な貿易のルールのけん引役になる」と主張した。10月中に衆院通過させ、会期末の11月30日までの承認を目指す構えだ。

 TPPは農業や貿易などに与える影響は大きいのに、国民の理解が進んでいるとはいえない。

 農業支援などを柱とする関連法案は、前提とした農林業への影響試算がずさんだ。生産額減少は約1300億~2100億円にとどまり、生産量は減らないという。国内対策が十分に機能することが前提で、見込みが甘すぎる。

 輸入米の流通では、ほころびも明らかになっている。国管理の入札で取引された輸入米が、国が契約した価格より安く流通していた可能性があることが判明した。TPPで輸入米がより多く流通すれば、政府の思惑通りの価格になるとは限らないことを示した。

 情報公開も不十分だ。関税などは協定発効後、原則7年後から再協議される。交渉で関税を維持した農産物が再協議で受ける影響も不透明だ。

 国や自治体の規制で企業が損失を出した場合、企業が国などを訴えることができる紛争解決手続き(ISDS)が、行政の環境保護策などを抑制するという指摘もある。TPPが雇用や医療に与える影響も検証する必要がある。

 政府は4月の衆院TPP特別委員会懇談会で、秘密保持を理由に閣僚協議の内容の大半を塗りつぶした文書を提出。きのうは自民党の衆院特別委理事が強行採決に言及した。政府と自民党がこのままの姿勢では十分に議論できない。

 承認を焦るべきではない。与野党は期限を設けないでTPPを詳細に分析し、メリットとデメリットを明らかにするべきだ。

 TPP発効には、日米が両国とも承認することが必要だ。

 米国では議会に反対論が根強い。大統領選では、民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補が反対を表明している。日本政府が承認を急ぐのは、米国に圧力をかける狙いがあるのは明白だ。TPP再交渉を掲げるクリントン氏に「日本は再交渉に応じない」という姿勢を示す思惑もある。

 TPPの是非について国内議論が不十分なまま、外交的な理由を優先して先走って承認するのは本末転倒である。

http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160930/KT160929ETI090006000.php

 2020年の東京五輪は大会経費が莫大(ばくだい)に膨れ上がる懸念がかねて指摘され、開催計画の見通しの甘さがあらわになっている。野放図に公費を投じる結果にならないよう、大幅な軌道修正もためらうべきではない。

 開催費用を検証するため東京都が設けた調査チームが、競技会場として都が新たに建設する3施設の抜本的な見直しを提案した。既存施設での代替などにより費用を抑えるよう求めている。

 このうちボートやカヌーの会場となる「海の森水上競技場」は、整備費用が当初の69億円から7倍の490億円余に膨らんだ。調査チームは、宮城県内のボート場での代替を提案。建設する場合も仮設にすべきだとした。

 ほかの2施設、水泳会場の「五輪水泳センター」とバレーボール会場の「有明アリーナ」も整備費用が2倍以上に増えた。代替案の検討が不十分だったとして、既存施設を改修して使うか、施設規模の縮小を求めている。

 小池百合子都知事は、代替施設での開催を本格的に検討する意向だ。一方、五輪組織委員会の森喜朗会長は、国際オリンピック委員会(IOC)で既に決まった競技会場を見直すのは難しいとの見解を示している。

 都は過去にも、施設整備費が当初の3倍近くに達するとの試算を踏まえ、施設の建設中止を含め計画を見直した経過がある。開催経費の増大は五輪の大きな課題だけに、IOCの理解を得るのは不可能ではないはずだ。

 競技団体から、今さら変更するのかといった反発や戸惑いも出ている。開かれた場で議論し、納得のいく形で事を前に進めたい。4年後の大会まで時間の余裕はない。感情的な対立を避け、対応を急がなくてはならない。

 招致計画で7千億円余と見込んだ開催費用について、調査チームは3兆円を超えると推計した。舛添要一前都知事も「3兆円は必要だろう」と述べていたが、あらためて目を見張る巨額である。

 加えて付きまとうのが、不透明さだ。建設費が膨らんだ新国立競技場は計画を白紙に戻して出直しとなった。都が圧縮した施設整備費も、一部は他部局の予算に付け替えただけと指摘されている。

 調査チームは、全体の予算管理者がいないことも問題点として挙げた。一義的には開催都市の東京が大会費用の全体を把握し、公開する必要がある。その前提として、都と組織委、国が責任体制を明確にすることが欠かせない。

http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160929/KT160928ETI090002000.php

 衆院本会議で自民党議員が安倍晋三首相に促され、一斉に立ち上がって拍手し続ける一幕があった。海上保安庁、警察、自衛隊に「心からの敬意を表そう」と、所信表明演説で呼び掛けられてのことである。

 首相が促したのも議員が応じたのも不適切だ。理由は二つある。

 第一に首相が呼び掛けたのは領土、領海、領空を守る活動に対する拍手である。こう言っている。

 「東シナ海、南シナ海、世界中のどこであろうとも、一方的な現状変更の試みは認められない。…現場では夜を徹して、今この瞬間も海保、警察、自衛隊の諸君が任務に当たっている」。その彼らに対して「今この場所から、心からの敬意を表そう」。

 領土、領海、領空を守るために、海保や警察、自衛隊が昼夜を分かたず働いているのは事実だろう。「お疲れさま」「ご苦労さま」といった気持ちを抱いている国民は少なくないはずだ。

 だからといって、国会議員が議場で一斉に起立し拍手するとなると話は違ってくる。

 海保、警察、自衛隊の活動は安倍政権が整備を進めてきた安保関連法や特定秘密保護法に関わっている。安保法、秘密法については、平和と民主主義をむしろ損なうとの見方が根強く残る。法律の廃止を目指し運動を続けている市民団体も少なくない。

 そうした中、国会で議員が活動をたたえることは反対論を封じる結果を招く危険をはらむ。

 国会は一切のタブーなく議論する場のはずである。憲法50条が議員の不逮捕特権、51条が院内での発言の免責を定めているのは、戦争の歴史の反省に立って自由な議論を保障するためだ。異論を唱えにくい空気がたとえ一時であっても生まれることには敏感でなければならない。

 理由の第二は首相が行政府の長であることだ。議員に対する拍手の呼び掛けは思い上がりと言われても仕方ない。

 野党からは批判の声が上がっている。「落ち着いて真摯(しんし)に議論する状況でなくなってしまう」との野党幹部の言葉にうなずく国民は多いだろう。民進、共産、日本維新の会の3党は「極めて異常な事態」と自民党に抗議した。

 首相の呼び掛けに唯々諾々従った自民議員も情けない。「首相1強」とも言われる自民党政治の劣化を見る思いがする。安保法制がこれから本格的に動きだす。国会が運用をチェックできるか、今後がますます心配になる。

http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160929/KT160928ETI090006000.php

 少子高齢化と厳しい財政状況の下、年金など社会保障制度をどう維持し、充実を図っていくか―。

 関心が高い問題なのに、将来像が見えてこない。政府や各党は、国民の「痛み」を伴う政策だからと敬遠することがあってはならない。議論を深めるよう求める。

 臨時国会は、安倍晋三首相の所信表明演説に対する代表質問が行われている。

 新執行部で初めての論戦となる民進党は蓮舫代表、野田佳彦幹事長が参院と衆院でそれぞれ質問に立った。「提案」路線を掲げて臨んだものの、相変わらず首相との議論はかみ合っていない。

 社会保障について首相は所信表明で、アベノミクスの果実も生かし優先順位を付けながら充実していくと述べた。しかし、具体的に挙げたのは無年金者対策として受給資格期間を25年から10年に短縮することだけだ。他の充実策や財源などははっきりしない。

 詳しい説明を求めた蓮舫氏に対して首相の答弁は、今後の予算編成で最大限努力するといった曖昧なものにとどまった。これでは議論にならない。「アベノミクスの果実」を財源に考えている点も問題だ。景気次第で増減する税収は安定財源と言えない。

 演説では「未来への投資」として子育て支援や介護の拡充も強調した。「介護離職ゼロ」を目指しての50万人分の受け皿整備、保育の受け皿整備の加速などを表明している。給付型の奨学金も来年度予算編成で実現するとした。これらも財源に触れなかった。

 あれもやる、これもやると聞こえのいい政策を並べても国民の将来不安は消えない。首相が堅持すると繰り返している2020年度の財政健全化目標も達成への疑問が膨らむ。国の借金は先進国で最悪の水準だ。ずるずると付け回しを続けられない。

 社会保障を維持していくために何をどう改めるか、踏み込んだ議論が必要だ。給付抑制や負担増の検討も避けられない。

 出発点になるはずだった旧民主と自民、公明の3党による「社会保障と税の一体改革」は消費税増税の延期で事実上、破綻した。政府、与野党は新たな青写真を国民に示す責任がある。

 差し当たり増税延期で不足する財源をどう手当てするのか、政府は国会できちんと説明しなくてはならない。さらには、将来的な社会保障と税財政の在り方が問われる。党派の枠を超え、与野党で掘り下げるべきだ。

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