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http://www.iwate-np.co.jp/311shinsai/hukko_yukue/fu1603261.jpg 「神戸の人間だから言えるアドバイス」
1995年の阪神大震災やその後の大店法廃止、世界金融危機などの荒波を乗り越えてきた商店主2人は、こう切り出した。
人通りの多い神戸市東灘区の甲南本通商店街は、阪神大震災で8割が倒壊したが、3分の2の店が復活し店舗数もほぼ元に戻った。
ひときわ目を引く真っ赤な看板の精肉店・神戸甲南サカヱ屋は、地域密着を重視し、昨年は兵庫県内の食肉小売店で初めて食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」認証を受けるなど、独自の商売を展開する。
代表の海崎孝一さん(56)は震災後を振り返り「50代、60代なら、あと5年、仮設店舗で方向性を見極めた方がいい。慌てることはない」と力を込める。
被災し商売をどうするか悩んでいた神戸の人々が、「復興」「復興」との風潮に乗せられて大きな借金を背負い、失敗していくのを山ほど見てきた。
「20代から80代まで皆ゴールは違う。仮設店舗の期間延長は本来政治家の仕事だが、商店街の人々が声を上げて動かす手もある。将来を考える時間が必要だ」と話す。
同市長田区の再開発ビル地下1階でにぎわう、食料品専門店・セルフ市場フーケット理事長の吉岡治さん(46)も「店舗本設はゴールではなくスタート。ハッピーなリタイアができる仕組みが必要だ」と力説する。
再開発ビル群につくられた地上2階、地下1階の3層構造の商店街は一部シャッター通りと化し、活気のある店は少ない。
その中で肉や魚、野菜などの専門店が協同組合方式で再建した同店は、競合スーパーにはない品ぞろえなど工夫を重ねる優等生的存在だが、初期投資や共益費など再開発ビル関連の維持費は重い。
震災7年後、ビルに本設の店を構えた吉岡さんは「利益を上げてもみんな持っていかれ震災前の商売とは全く違う。早く商売がしたいとスタートばかり考えたが、どんな商売をしたいかもっと考えるべきだった。建物が建つまで長く感じるが、建ってからはもっと長い」と警鐘を鳴らす。
神戸の再開発ビルを「悪い例」と言い切り、賃貸など商業者の負担を軽くする方策を訴える。
【写真=「無理な店舗本設で失敗した人をたくさん見てきた」と語る海崎孝一さん(中央左)=神戸市東灘区】