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日本型ベスト&ブライテストの絶頂と限界
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編集部 大鹿靖明
東京電力の勝俣恒久会長(71)にとって、3月11日は運命を暗転させた忌まわしい日となった。
その日まで勝俣の権勢は揺るぎないものだった。子飼いの清水正孝を後任社長に抜擢し、3年を迎えようとしていた。世論の反発が予想されたにもかかわらず、あえて資源エネルギー庁長官だった石田徹を顧問に招き、この天下りを副社長に起用するつもりでいた。
"凶報"を知ったのは中国・北京でのことである。現地時間の午後3時前(日本時間の午後4時前)、移動中のバスのなか、前席の元木昌彦・元「週刊現代」編集長からiPadを渡された。元木はアサヒコムのニュースで大地震を知った。後ろにいる東電の皷紀男副社長に、かなり大きいよ、とiPadを手渡すと、2人はじっと画面を見つめていたようだった。
勝俣と皷は携帯電話で連絡を試みたが通じない。気は焦っただろうが、成田空港は封鎖され、その日のうちに帰れない。帰国したのは翌12日だった。その日、福島第一原発1号機は水素爆発した。瞬く間に人類史に残るチェルノブイリ級の災厄へと広がっていった。
つい1週間前まで勝俣王朝に衰微の兆候は微塵もなかった。3月4日、エネルギー業界の担当記者OBを集めた懇親会で、あるOB記者が石田の天下り受け入れに疑問を呈すると、勝俣は血相を変えて激高した。
「国家のお金で育て上げた人材をもったいないじゃないか!」
怒髪天を衝く勢いに驚いたOB記者は、南直哉元社長のそばに行き話題を変えた。すると勝俣は南に向かって、「この人に言っときましたから」と言い放った。OB記者は勝俣のその後に「傲慢の罪」の報いを見るーー。
編集部 大鹿靖明
東京電力の勝俣恒久会長(71)にとって、3月11日は運命を暗転させた忌まわしい日となった。
その日まで勝俣の権勢は揺るぎないものだった。子飼いの清水正孝を後任社長に抜擢し、3年を迎えようとしていた。世論の反発が予想されたにもかかわらず、あえて資源エネルギー庁長官だった石田徹を顧問に招き、この天下りを副社長に起用するつもりでいた。
"凶報"を知ったのは中国・北京でのことである。現地時間の午後3時前(日本時間の午後4時前)、移動中のバスのなか、前席の元木昌彦・元「週刊現代」編集長からiPadを渡された。元木はアサヒコムのニュースで大地震を知った。後ろにいる東電の皷紀男副社長に、かなり大きいよ、とiPadを手渡すと、2人はじっと画面を見つめていたようだった。
勝俣と皷は携帯電話で連絡を試みたが通じない。気は焦っただろうが、成田空港は封鎖され、その日のうちに帰れない。帰国したのは翌12日だった。その日、福島第一原発1号機は水素爆発した。瞬く間に人類史に残るチェルノブイリ級の災厄へと広がっていった。
つい1週間前まで勝俣王朝に衰微の兆候は微塵もなかった。3月4日、エネルギー業界の担当記者OBを集めた懇親会で、あるOB記者が石田の天下り受け入れに疑問を呈すると、勝俣は血相を変えて激高した。
「国家のお金で育て上げた人材をもったいないじゃないか!」
怒髪天を衝く勢いに驚いたOB記者は、南直哉元社長のそばに行き話題を変えた。すると勝俣は南に向かって、「この人に言っときましたから」と言い放った。OB記者は勝俣のその後に「傲慢の罪」の報いを見るーー。