5月4日に記者会見する新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の尾身茂副座長(C)共同通信社
「シャレになりませんよね」
東京都関係者がこう言って顔を曇らせた。5月4日に発表された都内の新型コロナウイルスの感染者についてである。
この日の感染者は87人と比較的少ない人数だったが、新たな院内感染の可能性が確認された。地域医療機能推進機構(JCHO)「東京新宿メディカルセンター」で、入院患者13人と看護師・看護助手11人の合計24人が新型コロナ感染で陽性となったのだ。
この病院では、これまでにも医師と看護師6人の感染が確認されるなど、感染者が30人に上っている。東京都は「院内感染、クラスターの可能性が高い」とし ているが、この病院の理事長といえば、政府の専門家会議副座長で諮問委員会委員長を務める尾身茂氏だ。日本のコロナ対策を引っ張る専門家の足下でクラス ター発生とは、冒頭のように東京都関係者じゃなくとも「大丈夫なのか?」と不安になる。
本紙(日刊ゲンダイ)で既報のとおり、尾身氏がトップのJCHOは、先日成立した補正予算で“特別枠”ともいえる65億円が付いている。同じように新型コロナと戦っている病院から見れば羨ましい限りだろう。
“特別扱い”されながら、院内感染対策という基本のキすらできていないのは、いかがなものか。