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 菅義偉首相は21日、訪問先のインドネシア・ジャカルタでの記者会見で、日本学術会議の会員選考に関して「現在の会員が後任を推薦することも可能な仕組 み」と語った。先に行われた内閣記者会のインタビューで、現会員が後任を「指名」できると指摘し、事実誤認と批判されていた。

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大西隆元会長

 発言を修正したが、選考過程の不透明さを訴え、新会員6人の任命拒否の正当性を強調していることに変わりはない。大西隆元会長は22日の野党会合で「なお無責任な発言だ」と反発した。
 学術会議の新会員の決定を巡っては、定員210人の現会員と約2000人の連携会員がそれぞれ2人まで推薦し、選考委員会などを経てリストに載る105人を選出する。通常、当初の候補者は千数百人規模で、後継指名は事実上できない仕組みになっている。
 大西氏は野党会合で、学術会議が新会員選考の際、男女比や地域分布のバランスも考慮していると説明。女性の比率は2003年の6.2%から、20年に 37.7%まで上昇したことにも触れて「後任(指名)という考えでは実現できないことだ。努力をきちんと評価してもらえないのは非常に残念だ」と話した。
 首相の発言修正に関し、加藤勝信官房長官は21日の記者会見で「推薦することを指して首相は『指名』という言葉を使ったのではないか」と釈明していた。(横山大輔)