https://www.hokkaido-np.co.jp/article/356104?rct=c_editorial

 東日本の広範囲に甚大な被害を出した台風19号の上陸から、きょうで1週間になった。

 18日午後の時点で住宅被害は4万棟を超え、10都県で約4千人が避難生活を強いられている。

 被災地では再び雨が降り、二次災害なども懸念されている。こうした中、不自由な避難所生活で疲れやストレスがたまり、体調を崩す人が出ないか心配だ。

 道路の崩落や橋の流失で6都県の600人超が孤立し、復旧には時間がかかるだろう。

 政府や自治体など関係機関は、被災者に確実に生活物資を行き渡らせるとともに、心と体のケアに全力を挙げてもらいたい。

 避難所では雑魚寝を余儀なくされる被災者が多い。ただ、体育館などは床下からの冷気で体が冷え、低体温症になる恐れがある。

 車中泊の避難者だけでなく、硬い床で寝る生活が続くと、静脈に血栓ができるエコノミークラス症候群を招きかねない。

 有効なのが段ボールベッドであり、備えのない避難所に取り急ぎ届けてほしい。とりわけ体の不自由な人たちには不可欠だ。

 水害でまちには泥が残り、粉じんも舞う。だが、出入りする際に泥を洗い落とすための対策が不十分な避難所もあるという。

 断水による水不足や、トイレ環境の問題もあり、食中毒や感染症が懸念される。衛生面でも細心の注意が欠かせない。

 被災した福祉施設で暮らす要支援者や、被災家屋で生活し続ける人たちも気がかりだ。

 熊本地震では200人、西日本豪雨では50人を超える人が災害関連死で亡くなったが、本来あってはならないことだ。

 支援に当たる人たちは、高齢者や障害者を中心に被災地全般に対する目配りが求められる。

 東日本大震災の仮設住宅や、公営住宅の空き部屋を利用する動きもある。避難所生活を長引かせないためにも加速してほしい。

 そもそも日本の避難所は、世界的にも貧弱だとの指摘がある。

 国際赤十字は、被災者が尊厳を持って生活を送り、援助を受ける権利を指針で定めている。女性用トイレの割合や1人当たりの避難所面積などの目安があるが、日本の避難所は十分とは言い難い。

 地震の多いイタリアが参考になる。被災家族ごとにテントや簡易ベッドを用意し、プライバシーを守るよう配慮している。

 被災者の尊厳を守る視点での避難所の再点検が求められよう。

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「高額ポンコツ武器」は爆買い出来ても、頻発する災害に心身ともに疲弊した国民を迎える避難所は、お粗末そのもの。税金の使い方一つで国民は幸せになれます。安倍晋三の棄民政策を甘受してはいけません。まともな政治家を選択しましょう。