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若者たちが声を上げた(C)日刊ゲンダイ

 27日、安保法案反対で渋谷ハチ公前に数千人が集まった。中心は若者で、そこに中高年も加わり大きなうねりとなったのだが、デモを呼びかけたのは、今、話題の大学生を中心とした「SEALDs」だ。

 カラフルなプラカードを掲げ、レゲエやヒップホップを流し訴える若者たちの姿は、一般的な「デモ」とは趣を異にする。ここまで多くの賛同者を集めた理由は何なのか。メンバーで上智大3年生の芝田万奈さんはこう言う。

「6月初旬から国会前で活動していますが、最初500人だった参加者が26日には2500人まで広がりました。SNSでの呼びかけや、テレビで報じられたことが大きかったと思います。私たちは、戦争に突入することを危惧し、声を上げる必要性を感じました。ところが、一般的なデモはシュプレヒコールが過激でとっつきづらい。そこで、音楽を流すことで同世代にも親しみやすいものにしたいと考えました。戦争になれば私たち自身が参加しなければならない可能性もある。これからもしっかりと声を上げていきたい」

 SEALDsは、今年5月に「安保法案反対」を掲げ発足した。メンバーは関東・関西の大学生ら約250人で、特定の代表者はいない。前身は「SASPL」という団体で、13年12月に特定秘密保護法が成立した日に同法反対で発足したという。

 憲法学者が国会で安保法案を「違憲」と指摘して以降、安倍政権の支持率低下が止まらない。拡大する若者たちの反対する声が大人まで巻き込んで、安倍政権にトドメを刺すことになるかもしれない。

「中高年や地方など、自民党の支持基盤はただでさえ崩れ始めています。選挙権年齢が18歳に引き下げられたこともあり、安倍政権は『若者は政治に無関心』とタカをくくっていると、来年の参院選で予期せぬ大ダメージを受ける可能性があります。SEALDsの学生たちは、真正面から日本の政治を考えて行動している。活動する場所やタイミングを熟慮し、会期延長も織り込み済みで、日程を計画したそうです」(高千穂大准教授の五野井郁夫氏=国際政治)

 安倍首相は今ごろマッ青になっているのではないか。