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「心配するな、仲間がいるぞ、待っているぞ」。留置場に届けとばかりに友人たちがシュプレヒコールをあげた。=31日、東京空港警察署前 写真:筆者=

 28日、経産省前で薄暗い“事件”が起きた。公道と門扉までのアプローチ(門扉の外側)で国の原発政策に抗議していた男性3人が、警察に現行犯逮捕された。
 アプローチは経産省の敷地であるため建造物侵入罪が適用されたのである。形式犯だ。
 事件の報に接した時、2月に沖縄の在日米軍基地前で起きた山城博治・沖縄平和運動センター議長の逮捕劇を思い起こした。
 山城議長は国道と米軍基地のゲートを隔てる黄色い線をわずか数10センチ越えただけで、基地に侵入したとして、身柄を取り押さえられたのである。越えていないという説もある。
 大衆を引っ張るリーダーを形式犯という姑息な手段で拘束したことに沖縄県民の怒りが湧いた。
 経産省前での逮捕者の中にも、人々をひきつけてデモを盛り上げるカリスマがいる。彼を慕う友人たちがきょう、勾留先の東京空港警察署前を訪れ、激励の声をあげた(※)。

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男性3人は門扉の外にいたにもかかわらず建造物侵入の容疑で逮捕された。写真は目撃者。=経産省前 写真:筆者=

 「あなたの言葉は魅力的で人の心を変えるんです」
 「いつまでも若くないんだからストレッチで体をほぐして下さい」
 「きょうパンツの差し入れが届きます」
 ユーモアを交えながら房中の友を気遣う言葉はトラメガで拡声され、警察署の3階にある留置場にそのままのボリュームで飛び込んで行った。
 警戒にあたっていた警察署員たちも笑みを浮かべた。
 30分間余りの激励を終えて引きあげる際、主催者は現場司令と見られる警察官に「(友人を)お願いします」と頭を下げた。
 初老の現場司令は にっこり と頷いた。
 署内に身柄のある人物は、少なくとも御用新聞が書き立てているような『活動家』ではない。
 現場司令の目はその事をよく分かっているかのようだった。

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 ※
激励会は主催者の違いから2部構成となった。本稿は午後1時から行われた第1部のもようをリポートしたもの。写真は第2部。

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