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山口知事はどうする!?

 これがマトモな民主主義国家の姿なのか。国と沖縄県の対立が際立つ米軍普天間基地の辺野古移設問題。林農相は30日、翁長雄志知事が沖縄防衛局に出した作業停止指示の効力を一時的に止めることを決め、防衛局と県に「決定書」を通知した。

 これに対し、県側も、埋め立て工事の前提となる岩礁破砕許可の取り消しを検討。両者のミゾは深まるばかりだが、コトの成り行きを固唾をのんで見守っているのが佐賀県民だ。

 佐賀県では、1月の知事選で、総務官僚出身の山口祥義知事(49)が、自民党が全面支援した前武雄市長に大差で勝利した。争点のひとつになったのは、政府が進める「佐賀空港のオスプレイ配備」だ。山口知事だけでなく、地元の佐賀市長も受け入れに慎重姿勢で、沖縄県知事と名護市長が辺野古移設に反対している構図とソックリだ。

「そもそも佐賀空港は建設時に県と地元漁協が自衛隊の共用を禁じる覚書を交わしているのです。それなのに安倍政権は知らん顔でオスプレイ配備を進めようとしている。オスプレイ配備後は米海兵隊が佐賀空港で訓練する、と報じられていて、3月初めに九州防衛局が開いた住民説明会では反対意見が噴出しました」(佐賀県政記者)


 ところが、安倍政権は辺野古移設と同様、こうした県民の声を完全無視。それどころか、本年度予算で、佐賀空港のオスプレイ配備に向けた整備費を約100億円も計上した。さらに、3月4日に佐賀空港を視察した自民党の片山さつき・参院外交防衛委員長は「客観的には適地ではないか」と“容認発言”したという。

 国の強硬姿勢に対し、今のところ、佐賀県は「まずは国に(配備計画の)全体像を示してほしいと要望している段階」(政策監グループ)と言い、佐賀市も「県の対応を見極めている」(総務法制課)と静観の構えだが、このままだと辺野古に続く「佐賀空港闘争」に突入するのは時間の問題だ。

 佐賀空港のオスプレイ配備を考える集会を開いている「九条の会佐賀県連絡会」事務局の田中龍一郎氏はこう言う。

「辺野古移設をめぐる国の強硬姿勢は誰が見てもおかしい。今の状況を見ていると、次は佐賀空港(のオスプレイ配備)ではないかと危惧します。沖縄の状況は決して他人事ではありません」

 国と地方の“バトル”はどんどん広がりそうだ。