存在感が薄い首相だ。野田首相のことである。
国内では何も言わない。何もやらない。党運営は他人事のように全て執行部にお任せ。党内の意見は聞かない。聞くのは財務省と財界とアメリカの言うことだけ。震災復興、原発事故対応には関心なし。

何を考え、何がしたいのか?
増税とTPP以外に関心なし。行財政改革も本気でやる気無し。
マニュフェストは最早、頭の片隅にも無く、政権維持のことしか頭の中にない。
菅・野田と二代に渡り、とんでもない首相を民主党は選んだものだ。
選んだ側の議員の責任も重い。いずれそのツケを払う時が来るだろう。

首相に求められることとは?
世界の経済・金融が混乱し国内では震災・原発事故が起き、景気も低迷し人々の暮らしは苦しくなっている。
こんな時だからこそ、首相には国民の前面に立ち陣頭指揮で喫緊の課題に立ち向かう姿勢が求められる。それは首相に限らず全ての大臣にも当てはまることである。
何が政権運営における一番の問題かと問われるならば、首相に陣頭指揮でこの困難な局面に立ち向かおうという覚悟がないことだと思う。震災復興、原発事故、経済対策等に関して一国の首相としての思想が無いことにある。具体的な政策が提示できないことにある。
増税とTPPで全ての問題が解決するとでも思っているのだろうか?

公務員給料の削減が思ったように進んでいない。この問題の根本はそれぞれの公務員に支払われる給料が「仕事に見合った額」なのかどうかにある。まともに仕事をしなくても、一般企業より高い給料を得ていることが問題で、これこそ無駄の最たるものである。
今、現在における仕事量に見合った適正な人員がどれだけなのかを議論しなければ、説得力に欠けた論議に終わってしまう。もちろん行財政改革で仕事が減れば人員を削減しなければならない。
一律の削減率というのも矛盾している。民間の仕事と比較した場合、職種ごとの給料格差に大きな差がある。たとえば運転手や事務員と呼ばれる職種などでは民間の同種の給料と2倍近い差がある例も見受けられる。
人事院も廃止したほうがいい。
つまり、根本的な改革をしなけれ何も変わらないということだろう。多少給料を下げても、こういうことにかけては知恵が働く官僚は、手当てとか他の方法で減少分をカバーしようと考えてくることは安易に想像できる。
この問題の根本には、仕事量が減っても人員が簡単に減らせないという問題がある。
また、人員削減や給料削減の圧力を弱めるために無駄な仕事を作り出すというお役所体質にもある。

首相が今、やるべきことは先頭に立って本気で行財政改革に取り組むことであり、聖域である公務員の人員削減や給料削減に取り組むことである。
もう一点が、諸外国と比べ、バカ高い日本の公共料金を安くすることに取り組むことだ。

増税は、その後の話だ。
増税やTPPなどは、国民の理解と政権に対する信頼がなければ、政情が混迷し一層の財政悪化と国際的な信認の低下を招くことにつながる。
世界の歴史の中で増税を先行して財政再建に成功した例が皆無に近いことを現政権は肝に銘ずる必要がある。