この国を滅ぼす政治報道の重い罪
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2011年8月29日 掲載 日刊ゲンダイ

民主党代表選「親小沢」「反小沢」を煽動しているのはマスコミではないか

 次の首相を決める民主党代表選挙。当然、争点は、1年3カ月続いた菅政権の総括や震災復興、世界的にガタガタの経済をどう立て直していくのかだ。それなのに大新聞は「小沢氏処遇も焦点」(朝日新聞)、「候補者5氏、小沢氏処遇割れる」(毎日新聞)、「脱小沢、三たび争点に」(日経新聞)と、またまた党員資格停止中の小沢元代表の扱いを大きな争点に仕立てている。
 それは一昨日(27日)、日本記者クラブで行われた候補者の共同会見でもハッキリわかった。「小沢氏の党員資格停止を、即座に解除するつもりか」「秘書3人が逮捕起訴され、本人は強制起訴された。どうお考えか」――こんな質問が延々、繰り返されたのである。やれやれ、社説では「国政立て直しの道筋を示せ」などとエラソーに解説しているくせに、「親小沢か」「反小沢か」と、党内政局をあおりまくっているのは、実は大マスコミの政治部記者なのだ。
「私もその会見をテレビで見ましたが、本当に下劣でした。脱小沢か親小沢か、ということではなく、民主党の原点に戻るのか否かを問うべきでしょう。それなのに執拗に小沢元代表を“悪”と決めつけ、脱小沢を強要するような質問を連発する。これは民主党の原点を放棄せよ、と迫っているのと一緒です。今回の代表選では、メディアの劣化も強く感じました」(筑波大名誉教授・小林弥六氏)

 これまで散々、小沢元代表を悪者に仕立て上げ、民主党政権の分断に追い込んだのは大新聞テレビだ。その結果、政権はガタガタになり、原発・震災対応も、円高対策も手詰まりなのに、またまた反小沢候補に肩入れし、党内分裂をあおっているのだからどうにもならない。こういうメディアがある限り、挙党一致はできないし、そもそもメディアは、挙党一致=小沢の復権を許さない。そうやって民主党政権を崩壊させ、自民党政権を復活させたいという思惑がミエミエだ。
「大メディアが小沢叩きをやれば、『反小沢候補』の戦いが有利になる。大連立歓迎のスポンサー筋の大企業も喜び、一石二鳥になる。だから、執拗に小沢バッシングを続けるのです」(政治ジャーナリスト・小谷洋之氏)
 この国を滅ぼす政治報道の罪は重い。