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気になるニュースを転載しています。

2021年06月

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021062900164

 同じ関係を続けていては、弾圧に間接的に加担したことになるのではないか。

 国軍のクーデターから約5カ月となったミャンマーでの日本企業の活動である。国軍系の現地企業と関係を築いて事業を展開してきた企業が少なくない。

 弾圧による死者は800人を超えた。不当な拘束や拷問も後を絶たない。国軍系企業との取引は、人権侵害を繰り返す国軍への実質的な資金支援とも言える。

 企業にすれば、巨額資本を投じてきただけに、簡単には進退を決められない事情もある。だが国内外の批判は高まっている。欧米は国軍系企業への制裁を発動し、投資の停止を呼び掛けている。

 今後、人権団体などに提訴される可能性もある。企業が人権問題に鈍感でよいはずがない。撤退も含め、事業の在り方を抜本的に見直していくべきだ。

 ミャンマーは2011年の民政移管後、「アジア最後のフロンティア」とも称され、外資が盛んに進出した。中でも、官民を挙げて取り組み約400社が展開する日本の存在感は大きい。

 進出したのは、食品や自動車といった製造業のほか、円借款による大型開発を当て込んだゼネコンや商社だ。国軍は、ミャンマー国内で通信、電力など幅広い分野の企業を支配下に置く。国軍系企業との協力に乗り出す日本企業も目立つようになっていた。

 クーデターの後、そうした企業は困難に直面している。

 キリンホールディングスは、国軍系企業との合弁でビール事業を展開していたが、不買運動にも直面し、合弁解消を表明した。

 フジタや東京建物が最大都市ヤンゴンで手掛ける複合施設の建設事業では、国軍と一体化した国防省に年間2億円の地代が渡っていることが問題化。再検討を迫られている。

 見過ごせないのは、進出企業でつくる「日本ミャンマー協会」を巡る問題だ。会長の渡辺秀央元郵政相が代表取締役を務める会社が、国軍系企業と合弁で土地開発を進めている。今後、地代が国軍の資金源になる可能性がある。

 この会社は、渡辺氏の息子で事務総長の祐介氏ら協会幹部が役員を兼任する。祐介氏は、国軍との「特別な関係」を推進し続けるべきだと主張している。

 国軍の行為を見れば、新たな国造りを支援するという進出時の前提が崩れたのは明白だ。権益にしがみつくような姿勢はもはや、通用しなくなっている。

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021062900165

 憲法は「平和のうちに生存する権利」を前文に明記している。平和の基盤なしに基本的人権の保障は存立しないことを踏まえれば、単に理念として掲げたのではないと見るべきだ。

 にもかかわらず、裁判所は具体的な権利として認めず、平和的生存権の侵害の訴えに対し、扉を閉ざし続けている。集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法をめぐる裁判である。

 県内の市民ら360人余が起こした訴訟で、長野地裁は型通りの判決で訴えを退けた。「憲法前文などを根拠に平和的生存権という具体的権利、利益が保障されているものと解することはできない」と切り捨てている。

 安保関連法は憲法9条に反し、平和的生存権や人格権を侵害されたとして国に賠償を求めていた。地裁は原告の戦争体験者らの意見陳述を聞き、元内閣法制局長官らの証人尋問もしながら、憲法判断を避けた。安保関連法の違憲性については「判断するまでもない」として何も触れていない。

 全国22地裁・支部で起こされている訴訟のうち、これまでに長野を含め13件で判決が出た。いずれも具体的な権利、利益の侵害を認めず、憲法判断はしていない。判で押したような判決が積み重なることにあぜんとさせられる。

 平和的生存権をめぐっては、過去に異なる司法判断も出ている。名古屋高裁は2008年の判決で、法的な権利と認める判断を示した。イラクへの自衛隊の派遣を違憲として市民が起こした裁判だ。全ての人権の基底にある憲法上の権利と位置づけ、裁判所に保護、救済を求めうるとした。

 権利の具体的な侵害は認めず、派遣差し止めは退けたものの、自衛隊の活動は、武力の行使を放棄した憲法9条1項に反すると断じている。腰の引けたところがない、得心がいく判断である。

 安保関連法は15年、当時の安倍政権が数を頼み、強引に成立させた。長年の政府答弁で確立されてきた憲法解釈を一存で変更してのことだ。憲法上、集団的自衛権は行使できないとしていた内閣法制局は、行使を容認する人物が長官に据えられ、無力化された。

 この上、裁判所が憲法判断に消極的な姿勢を取り続けるなら、憲法のくびきを振り払って政府が暴走するのを防ぐ歯止めはなくなる。憲法の基底にあるのは、権力を法で拘束して人権を守る「法の支配」の考え方だ。それを貫けるか。憲法の番人として裁判所のあり方が厳しく問われている。

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1339516.html

 通常国会が閉会した。新型コロナウイルス感染拡大が収まらない中で、国民の命と暮らしを守るため会期を延長して徹底論議すべきだった。

 今国会はコロナ対策や東京五輪・パラリンピック開催の可否について討論を尽くさず、改正国民投票法や土地規制法などの重要法案は熟議なく数の力で可決した。一方でLGBT法案は提出を見送った。日本学術会議会員の任命拒否など今国会に引き継がれた問題は解明されなかった。
 国民全体の利益を代表して行政をチェックする責務を立法府が放棄したと批判されても仕方ない。与党のおごりと野党の追及不足は否めない。
 新型コロナウイルスの緊急事態宣言を今月20日で解除した場合、専門家はワクチン接種が進んでいても東京では流行が再拡大し、8月に再び緊急事態宣言が避けられない恐れがあると警鐘を鳴らしている。再拡大に対応するために国会会期を延長すべきではなかったのか。
 党首討論で菅義偉首相は、コロナ対策と東京五輪開催について「国民の命と安全を守るのが私の責務だ。守れなくなったら開かないのは当然だ」と述べた。だが肝心の開催の前提となる判断基準を国会で示さなかった。
 にもかかわらず首相は英国で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で各国首脳から開催の支持を取り付けた。「外圧」に頼るような首相の手法は国会軽視であり、本末転倒である。
 改正国民投票法は、投票率の下限を定めず一部憲法違反の可能性が指摘された。与党推薦の参考人に「(衆参とも)熟議になっていないのではないか」と指摘されながら、衆参合わせて十数時間程度の論戦で成立させた。
 自衛隊や米軍基地などの土地利用を規制する法は、会期末ぎりぎりで成立させた。「安全保障」を理由に、思想・良心、集会、表現の自由や財産権を侵害し憲法に抵触する恐れがある。基地と隣り合わせの沖縄は、多くの県民が監視対象になることが懸念される。法案策定に携わった東京財団政策研究所の吉原祥子氏ですら「条文案を読むだけでは、さまざまな臆測が広がる恐れがあることは痛感した」と述べ、熟議を促したほどだ。
 首相肝いりのデジタル改革関連法案も「監視社会」の到来や企業による商業利用、個人情報の保護に多くの懸念を抱えたまま成立した。
 一方、LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案や、太平洋戦争中の空襲による民間人被害者を補償する法案などは提出が見送られた。
 積み残した問題も多い。菅首相の長男が絡んだ総務省接待問題は首相への忖度(そんたく)が解明されなかった。日本学術会議の会員候補任命拒否問題も究明が進まなかった。
 内閣提出法案を「白紙委任」するような審議では国権の最高機関の任を果たしたとは言えない。

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1338948.html

 自衛隊や米軍基地、国境離島などの土地利用を規制する法案が、参院本会議で可決・成立する。

 どのような施設が規制の対象となり、どのような行為が規制されるのか全てあいまいだ。「安全保障」を理由に、思想信条、集会、表現の自由や財産権を侵害し憲法に抵触する恐れがある。欠陥だらけの法律は認められない。
 当初、法案がまとめられた背景に、外国資本による土地購入に対する懸念があった。しかし、日本が批准する「サービスの貿易に関する一般協定」(GATS)により、外国資本だけを対象とした規制は難しい。この時点で、法案を見送るべきだった。
 しかし、政府は土地所有者の国籍を問わず「安全保障」を名目にすることにした。出来上がった法案は、外国人が土地を所有すること自体は規制せず、基地周辺で暮らす自国民を監視対象にする内容にすり替わってしまった。基地と隣り合わせの多くの沖縄県民が対象になる。
 土地規制法は、自衛隊や米軍基地などの周囲約1キロや国境離島を「注視区域」に指定し利用状況を調査できる。施設への妨害に中止勧告、命令を出す。命令に応じなければ、懲役か罰金を科す。
 「注視区域」のうち自衛隊司令部周辺や無人国境離島を「特別注視区域」に指定し一定面積以上の売買に事前届け出を義務付ける。
 指定される対象として政府は有人国境離島148島(うち県内50島)、海上保安庁174施設(うち県内8施設)のリストを国会に提示した。しかし自衛隊施設のリスト提出を拒み、米軍施設も国会で明らかにしなかった。
 対象施設を明らかにしないだけでなく、施設の「機能を阻害する行為」も国会で例示しなかった。閣議で決める基本方針に盛り込むという。国会のチェックが働かず政府に「白紙委任」したことを意味し立法府の責任放棄である。
 沖縄の場合、名護市辺野古の新基地建設に反対する市民運動などが「阻害する行為」とされかねない。米軍の環境破壊を告発したチョウ類研究者の自宅を家宅捜索した県警の動きは、土地規制法の先取りとの警戒感が広がる。
 「注視区域」の調査は、内閣府に新設する部局が公安調査庁など関係省庁と連携して行い、情報を一元的に管理する。調査する内容は国会に示さず、後に政令で決める。情報機関が肥大化し国会のチェックが働かない。
 看過できないのは、個人の思想信条の調査について政府が「条文上、排除されていない」との認識を示したことだ。住民監視活動を法的に認めたのに等しい。法律が成立したことで監視対象が次々と広がる可能性がある。
 政府は過去に重要施設への機能阻害行為が確認されていないことを認めている。立法を必要とする根拠がないことをあらためて強調したい。

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1340702.html

 2019年の参院選広島選挙区を巡る公選法違反事件で東京地裁は議員ら100人への買収を認定し、河井克行元法相に懲役3年、追徴金130万円の判決を言い渡した。

 事件は一つの区切りを迎えたが、決着してはいない。買収に使われた資金の出どころが不明だからだ。自民党本部が河井氏側に提供した1億5千万円には税金が元手である政党交付金も含まれる。これが買収の原資となったのか。河井氏、自民党とも説明責任を果たしていない。
 最大の焦点である買収原資が曖昧なままなら事件は終わらない。河井氏側は即日控訴した。二審では買収の原資をどこから得たのか徹底的に解明してもらいたい。
 事件は河井氏の妻・案里氏=公選法違反で有罪確定=の参院選出馬に始まる。
 改選2議席の広島選挙区には案里氏と別に自民党から溝手顕正元国家公安委員長が出馬した。当時溝手氏に自民党本部から提供されたのは1500万円だった。
 同じ党の候補でありながら本部の支援額に10倍もの差がついたのはなぜか。発覚当初から疑問視されたが、裁判を経ても理由は分からない。
 判決で「民主主義の根幹である選挙の公正を著しく害する極めて悪質な犯行」と指弾された事件の背景に、自民党本部が深く関与しているのは客観的に疑いようがない。
 しかしこれまで自民党の幹部は反省どころか、自らのこととして捉えていなかったのではないか。二階俊博自民党幹事長が事件を評して「他山の石」と言い放ったことに象徴されている。
 二階氏はその後「党全体を統括しているのは総裁と幹事長だ。組織上の責任はわれわれにある」と語った。ところが、二階氏側近の林幹雄幹事長代理は、当時の選対委員長だった甘利明税制調査会長を名指しして責任を押し付けようとした。さらに甘利氏は「1ミクロンも関わっていない」と否定する始末だ。
 幹部らの発言を見ても事件を解明する気があるのか甚だ疑わしい。しかも林氏は記者会見で疑惑を追及する記者に向かい「根掘り葉掘り党の内部のことまで踏み込まないでもらいたい」と発言した。
 党本部が河井氏側に提供した1億5千万円のうち1億2千万円は政党交付金である。納税者に説明する義務があることは言うまでもない。使途について追及されたくないのであれば、今すぐ政党交付金を全額返上すべきだ。
 何よりも「組織上の責任」があり、決裁権者であった安倍晋三前首相が沈黙しているのも国民には理解しがたい。
 安倍氏は首相在任中、不祥事がある度に「責任は私にある」と言い続けた。今こそ有言実行のときだ。国会でも法廷でもよい。安倍氏に表舞台で証言してもらいたい。
 自民党に自浄能力があるのか。国民が注視していることを肝に銘ずるべきだ。

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