ttammakko24のblog

気になるニュースを転載しています。

2019年01月

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/272010?rct=c_season

「ゆでガエル理論」というものがある。水の中にカエルを入れて水温をじわじわ上げると、温度上昇に気付かず、いつの間にかカエルがゆであがってしまう―という考え方だ▼いきなり熱湯に入れると飛び出すが、徐々に熱くすると分からない。気付いたときにはすでに手遅れというたとえとして、しばしば使われる▼新興俳句運動を推進し、治安維持法違反で摘発された渡辺白泉の「戦争が廊下の奥に立つてゐた」も、手遅れに気付いた恐怖がにじみ出ている。ときは1939年(昭和14年)。日中戦争は泥沼化し、38年に国家総動員法が発令、40年に大政翼賛会が結成された。41年の治安維持法改正で適用範囲が拡大され、日米開戦へと続く時代だ。戦争の気配が気付かぬうちに社会に忍び込んでいたことを、この句は教える▼「じわじわ」は過去のものとは言い切れない。新年度予算案の防衛費は5兆2574億円と、5年連続過去最高を更新した。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」整備や新型ステルス戦闘機F35の大量調達など、専守防衛を掲げる国とは思えない内容だ▼特定秘密保護法や安保関連法、「共謀罪」法が制定され、集団的自衛権の行使容認も、閣議決定された。白泉の時代と似ていないか▼ゆでガエルになってはいけない。廊下に目を凝らしたい。きのうで没後50年。白泉が生きていたらどんな句を詠むだろう。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/271949?rct=c_editorial

 国会はきのう、衆院で代表質問を行い、論戦が始まった。
 厚生労働省の勤労統計不正で安倍晋三首相は「見抜けなかった責任は重く受け止めている」とし、徹底検証や再発防止に「全力で取り組んでいきたい」と表明した。
 野党側が求めた根本匠厚労相の罷免は拒否した。
 統計不正は、特別監察委員会による調査で対象者の7割を「身内」の職員のみで聴取していたことをはじめ、問題発覚後の厚労省の対応もあまりにずさんだ。根本氏の監督責任は免れまい。
 一連の問題の全容解明が急がれる。国会の責任も重い。政府側に逃げの答弁を許さず、行政監視の使命を果たしてもらいたい。
 首相は、不正は「セーフティーネットへの信頼を損なう」との認識を示す。雇用保険などの給付で国民に損失を与えた結果は重大だが、問題はそこにとどまらない。
 政策の基盤である統計の不正は政府そのものへの信頼を損ねた。厚労省のお粗末な対応は、政権としてその深刻さを理解していなかったことが一因ではないか。
 首相は立憲民主党の枝野幸男代表に、報告を受けたのは昨年の12月28日で「しっかりと事案を精査するよう指示した」と答弁した。
 根本氏が知ったのは同20日だ。首相に上がるのが遅すぎる上に、首相がその後の厚労省の調査に目を光らせたのかどうかも疑問だ。
 形ばかりの第三者調査を1週間足らずで終わらせた対応を、なぜ事前に正さなかったのか。
 野党は、安倍政権の経済政策の成果を誇張する「アベノミクス偽装」ではないかと追及している。
 昨年1月からひそかにデータの補正を行った結果、賃金が高い伸びを示したからだ。
 この点をただした国民民主党の玉木雄一郎代表に対し、首相は「再集計で下方修正した数値のみを示してアベノミクスの成果だと強調したことはない」と答えた。
 知りたいのは組織的な隠蔽(いんぺい)や偽装の有無であり、その真相を究明するのが首相の「責任」だ。相も変わらぬ論点そらしの答弁を続けていては疑念が晴れまい。
 日ロ平和条約交渉で枝野氏は、北方四島の帰属問題の解決を確認した東京宣言には言及せずに日ソ共同宣言を基礎にするとの方針は、交渉の後退だと批判した。
 首相は「両国が批准した唯一の文書」だとして共同宣言の有効性を強調し、今後の交渉での東京宣言の扱いは語らなかった。重要な点を曖昧にするのは不誠実だ。

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190131/KT190130ETI090007000.php

ウィルソン米大統領の声はしわがれ、せきが出始めた。息をするのもままならず体温は39度を超えた。1919年4月3日。パリ講和会議の席上である。当時、世界中で大流行していたスペイン風邪(インフルエンザ)を発症したのだ

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第1次世界大戦後の秩序を巡り米英仏伊の戦勝国4首脳が激論を交わしていた。フランスは敗戦国ドイツに巨額の賠償を求めた。国際連盟創設を掲げたウィルソン大統領は強く反対した。過酷な賠償は将来、再び戦争の芽になりかねないと考えたからだ

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インフルエンザは大統領の体力と心を衰弱させ交渉の舞台から引きずり降ろした。講和条約にはフランスの主張が反映。国際連盟は発足したものの米国は議会の反対で連盟に参加できなかった。やがてドイツでは賠償などへの反発からナチスが台頭、第2次大戦に突き進んでいく

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アルフレッド・W・クロスビー著「史上最悪のインフルエンザ」に学んだ。この時は1918年春、米国の基地で流行。第1次大戦の西部戦線に参戦した米兵がウイルスを運び欧州に広げた。戦争が招いた感染拡大は2千万人超の命を奪い時代を変えた

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そのわりに人々の記憶から薄れるのは早かったという。感染症への警戒心は、一時の恐怖で終わって長続きしにくい。10年前の新型インフル流行も遠い過去のようだ。すきを突くようにウイルスは変異して襲ってくる。犠牲者が出ている今冬、振り返りたいウイルスとの闘いの歴史である。

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190131/KP190130ETI090008000.php

 経済的な困窮や虐待で保護された子どもの大半が児童養護施設などで暮らす現状をどう変えていくか。特別養子縁組の対象年齢を引き上げることは、「施設から家庭へ」の流れを強める手だての一つとして意義がある。

 実の親が育てられない子を養父母が戸籍上の実子として引き取る制度である。現行の原則6歳未満を15歳未満に引き上げる見直し案を法制審議会がまとめた。

 縁組が成立するまで実の親が同意を撤回できる手続きも改める。家裁の審判を2段階に分け、縁組が必要かを判断する段階で同意すれば、養親の適格性を判断する手続きには関与できなくなる。

 縁組は年間600件ほど成立している。一方で、断念した事例は2014、15年度の2年間で300件近くに上る。子どもの年齢や実親の同意の要件が障壁になっていると指摘されていた。

 家庭で育つことは子どもが成長する上で何より大切だ。里親の制度とともに特別養子縁組を社会に定着させていきたい。制度を見直すにあたって、目を向けなければならないことは多い。

 一つは、子どもの年齢が上がるほど新たな親子関係を築くのが難しくなることだ。自我が育ち、実親と関係が断たれることを受けとめきれない子もいる。向き合う養親にも負担がかかる。

 安定した関係を築けなければ、かえって子どもが苦しむことにもなる。実際、施設に戻った子もいる。子どもと養親を支える相談や援助の仕組みが必要だ。地域の住民が見守り、手を差し伸べることも助けになる。

 見直し案は、15~17歳についても本人の同意などを条件に縁組を認めた。ただ、15歳未満については、現行制度と同様、子ども本人の同意を要件にしていない。

 縁組の成立を優先して子どもの気持ちをおろそかにすることがあってはならない。一律のやり方があるわけではなく、真意をくみ取るのが難しい場合も多いだろう。だからこそ、個別の事例に丁寧に対応していく必要がある。

 特別養子縁組は、実の親子の法的関係を断ち切る重い制度である。決断を迫られる実の親を支える取り組みも欠かせない。

 不妊に悩む夫婦が子どもを迎える選択肢にもなる制度でありながら、多くの人が関心を向けているとは言いがたいのが実情だ。医療機関などと協力して周知を図り、里親制度も含めて理解を広げることが、支える態勢をつくっていく上でも重要になる。

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-868888.html

 昨年の県知事選でネット上の情報の真偽を検証するファクトチェックをした。候補者への誹謗(ひぼう)中傷も多かったが、「沖縄の基地負担が大きいというのは幻想」との誤った言説も再び出現した

▼在日米軍専用施設面積の70%が沖縄に集中するという数字は「米軍関連施設を全て含めれば22%程度」で「数字のマジック」と主張する。自衛隊との共同使用施設を含めると数字は正しいが、その米軍利用実績は少なく、沖縄に多い専用施設での現実の基地負担を表していない
▼これも「数字のマジック」だったか。安倍晋三首相がNHKの日曜討論で辺野古新基地建設に関し「あそこのサンゴは移植している」と述べた。沖縄防衛局が移植対象とするサンゴは埋め立て海域全体で約7万4千群体。そのうち移植したのは9群体のみ
▼厚生労働省の毎月勤労統計で不正が発覚した。賃金動向を把握する数字だけに、これまでの賃上げを巡る労使交渉にも影響があったのではと懸念も出る。安倍政権肝いりのアベノミクスの「成果」と喧伝(けんでん)された賃金の伸びは下方修正された
▼さらに他の府省庁の基幹統計でも不適切処理事案が見つかった。どこまで広がるのか。政府自身がフェイクを発信し続けていたのである
▼「統計すなわち国」という。事は統計にとどまるのか。サンゴの移植でも誤った情報を流布する。国の根幹が揺らいでいる。


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