ttammakko24のblog

気になるニュースを転載しています。

2017年01月

https://news.careerconnection.jp/?p=30608

若い女性たちが”キレて”いる。日刊SPA!が1月23日、「なぜ若い女子たちはお金を使わなくなったのか?」という記事を掲載。この記事自体も興味深いのだが、これを受けてガールズちゃんねるにスレッドが登場。コメント欄が荒れる事態になった。
「何故お金を使わなくなったか?って、お金が無いからでしょ?バカじゃ無いの??」
「老害が若い世代に金まわさないくせに、使わないなんて良く言えたもんだ」

女性たちの主張は正論だ。「なぜお金を使わなくなったのか?」とは愚問なほど、彼女たちは「お金がない」。しかもそれが少数派ではなく、圧倒的多数だという現実がある。無い袖は振れないもので、「生活していくだけでギリギリだから」という声ばかり。それなのに、やれ今度は若者の○○離れなどと言われる筋合いはない、というところだ。(文:みゆくらけん)

「奨学金の借金してるもん。借金してるのにお金使えないよ!」

欲しいものはあるけど……

欲しいものはあるけど……
「昔とは時代が違う」と主張するある女性は、お金を使えない若者の心理・不安を次のように説明する。
「今の時代、リストラ当たり前、給料上がらないどころかボーナスもない。共働きしないと結婚生活厳しいし子育てにもお金がかかる。年金はおそらくない。普通の人なら危機感持ってるよ。そんな中で使う人なんていないのが普通」
また、「バブルの感覚で意見しないで欲しい」という意見も多く、昭和の価値観を疑問視する声も多く出た。
「うちらの世代からしたらバッグに何十万も払うとか頭おかしいのかと思う。たかがバッグだよ?」
「ブランド志向・酒・タバコ・ばか騒ぎ、どれもカッコ悪い」
つまり彼女たちは、身の丈にあった生活をしているだけ。見栄を張るカッコ悪さや無理をするしんどさも最初からパス、そもそも「奨学金の借金してるもん。借金してるのにお金使えないよ!」という切実な現実を訴える人も。他にも、
「老人優遇社会の生け贄となって必死に働いて、大量の税金等とられているので、それどころではありません。毎日の食事はモヤシか○友の不味い食パン」 「(消費しないことが)まるで悪のようにそんな事言うなら、金くれ!!くれた分いくらでも使ってやるよ!!」
などとキレ気味な意見も出ていた。

「浪費している子は金銭感覚がおかしいと笑われ、節約してる子が尊敬される」

「しまむらの服すら高い」と感じる女性たちからすれば、消費するお金があるなら貯金にまわしたいのが本音。堅実にならざるを得ない。

また、今はお金をたくさん使わなくても”そこそこ満足”の暮らしができる時代。フリマアプリなどの活用で、安くモノが手に入り、情報はネットで十分。遊び・暇つぶしは無料ゲームがいくらでもあるし、食事もサイゼリアや牛丼チェーンで安く済ませることができる。その上異性にも無関心の波が広がっているとなれば、消費活動に消極的になるのは当然の流れではないだろうか。

かつて、自分が”女子”だった昔を振り返ると(筆者は35歳)、今よりだいぶん、自分も周りも派手なことに憧れを持っていたように思う。恋人とはクリスマスにハイブランドの財布やバッグを贈り合うことは当たり前だったし、そのために背伸びも無理もしていた。そして、そのことをしんどいながらも楽しく感じていた。

しかし、現在私立女子大に通っているというある女性は今回のコメントの中で、最近の女子大生事情について、「浪費しまくっているような子は全然見ない」とし、
「親の収入に関係なく、そういう子(浪費する子)は金銭感覚がおかしいと笑われ、すごい節約してる子が尊敬されてる」
と書き込んでいる。若干、面白味がない気もするが、堅実は堅実。筆者の女子時代に比べ、彼女たちが正しい金銭感覚や価値観を備えているのはどうやら間違いなさそうだ。

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トランプショックのどさくさ紛れ アベノミクス“白旗宣言”

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/198522
2017年1月30日 日刊ゲンダイ 文字お越し

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失敗の責任を取れ(左から時計回りに、安倍首相、麻生財務相、黒田日銀総)/(C)日刊ゲンダイ

「TPP永久離脱」に「日本車攻撃」。連日のトランプ・ショックにすっかりかき消されてしまったが、先週25日に内閣府が経済財政諮問会議に示した試算は衝撃的だった。国際公約している2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化が絶望的であることが分かったのだ。

 試算によれば、20年度の国と地方を合わせたPBは8.3兆円の赤字。昨年7月の前回の試算より赤字幅は2.8兆円膨らんだ。目も当てられないのは、この数字が「実質2%、名目3%」というありえない高い成長率を前提としていることだ。ゲタを履かせても赤字予想なのだから、現状の0%成長では「20年度の黒字化目標」は到底ムリ。経済成長に伴う税収増で黒字化できるという理屈は崩れたのである。

 赤字拡大の理由として、円高で企業業績が悪化し、税収が想定より下振れしたことが挙げられているが、そんなの言い訳だ。

 第2次安倍政権発足後の最初の1、2年こそ、金融緩和による急激な円安で輸出企業はウハウハだったが、円高になった途端、元通り。日本経済は瞬間的に為替差益で潤っていただけで、産業競争力が高まったわけじゃないからだ。

 将来不安を背景に消費を減らす動きが加速、所得税収や消費税収が伸び悩むこともPBが赤字の原因だと説明しているから唖然である。

 アベノミクスで異次元緩和し、ジャブジャブマネーと円安で大企業が潤う。インフレ期待とトリクルダウンで消費者がカネを使って、デフレ脱却、経済再生――。今回の内閣府の試算は、このシナリオが完全に破綻したことを意味する。いわばアベノミクスの「白旗宣言」なのだ。

■アベクロはセットで辞任すべし

 金融政策に頼り切った結果がこれだ。日銀は禁断のマイナス金利にまで手を付けたのに、1年経ってもデフレ脱却への効果は全く見えない。すべてがペテンだったのだが、今さら緩和をやめられないから国債暴落の危険性だけが膨らみ続ける。無間地獄だ。

 経済アナリストの菊池英博氏がこう言う。

「大企業優遇のアベノミクスは新自由主義の典型です。世界では新自由主義の先頭を走っていた英米で、キャメロンとオバマという2人のトップが退陣した。今度は安倍首相の番です。黒田日銀総裁とセットで辞めてもらわなければなりません。安倍政権の4年間で、経済成長の要である実質国民所得は5.1%減、1人当たりの金額にして19万円減ってしまいました。消費増税3%分を差し引いても、実質所得はマイナス。アベノミクスによって国民から奪われた所得が大企業に行ったのです。ところが大企業は法人税減税の恩恵を受けても、投資せず、内部留保に回すばかり。さらに非正規社員の激増で日本経済は底割れしてしまった。こんな状況で金融頼みの政策を続けてもどうにもなりません」

 怪しいのは、内閣府が試算を発表したタイミングである。トランプ騒動の陰に隠れてどさくさ紛れがミエミエ。大新聞も事実を垂れ流すだけだ。安倍首相にしろ黒田日銀総裁にしろ、なぜデタラメ経済失政の責任追及がなされないのか。アベ様に盾突けない日本の大新聞も情けない。


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   社会的弱者にツケを押しつけ(C)日刊ゲンダイ

ノーベル賞学者の理論に舵を切るのか

 さすがに金融政策の限界は明らかで、ここへきて官邸内には、財政出動路線のトランプ政権誕生に便乗して、財政政策にこっそり舵を切ろうという空気が出ている。

 昨年末辺りから“変節”したリフレ派の安倍ブレーン、浜田宏一・米エール大名誉教授が20日、あらためてロイター通信に「金融緩和の効果を高めるためには財政政策の拡大が不可欠。消費税率引き上げの再延期と法人税減税が必要」などと語っているのだ。

 浜田教授が最近、「目からウロコ」と心酔しているのが「シムズ理論」。ノーベル賞学者のクリストファー・シムズ米プリンストン大教授が唱える「財政赤字により物価水準を押し上げる」という考え方だ。シムズ教授は29日の日経新聞のインタビューでも「金融政策ではデフレ脱却はできない」と断言、そのうえでこう言っている。

「物価引き上げに必要なのは、日本政府が政府債務の一部を、増税ではなくインフレで帳消しにすると宣言することだ」

 例えば政府の借金が100兆円あるとして、一方で将来は50兆円分の返済原資しか得られそうにないとする。その場合、100兆円の債務は実質50兆円分の価値しかないことになり、インフレが発生するという。政府が将来のインフレを宣言するのだ。借金を払わない国だと不安に煽られた国民のインフレ期待も起こるというのだが、これって、現状の日本の金融政策ともPB黒字化目標とも相いれない考え方だ。

 経済評論家の斎藤満氏がこう言う。

「ジンバブエのようなアフリカの無責任国家ならまだしも、日本では予算制度上、この理論は使えません。予算が100兆円として税収が50兆円しかなければ、残りの50兆円分は『知りません』と宣言してしまえ、という話ですが、日本では歳入と歳出で均衡が取れていなければ予算は通りません。日銀がこれまでやってきたマネタリーベースを増やしてインフレにするのとは百八十度違う。現状の政策ではうまくいかないからルールを無視して何でもアリなのか。恐ろしい話です」

 シムズ教授は2月に来日予定で、政府関係者が会うという噂もある。“奇策”に頼ろうとするのは、現状の政策が失敗していることの裏返しだ。

■消費増税では国は浮上しない

 いずれにしても、大企業富裕層優遇の安倍政権は、これまで同様、取れるところからカネをむしり取るのだろう。まずは社会保障費の削減だ。4月から年金支給額のカットが決まっている。

 そして、社会的弱者が金食い虫と糾弾され、医療費が大幅カットされることになる。すでに70~74歳の医療費負担が原則2割に引き上げられた。厚労省は、75歳以上の医療費負担増や要介護1、2の軽度者へのサービス縮小も検討している。まさに「老人は死ね」と言わんばかりの政策が目白押しだ。

 このままでは経済成長は期待できない。だが、シムズ教授も言うように、今のデフレ下でおいそれと増税はできないだろう。

「これまでの例を見れば明らかで、どんなに経済環境が良くても消費増税をすれば確実にむしばまれる。節税意識で消費を抑えることになるし、弱者は負担増で生活が苦しくなる。景気悪化のリスクが高すぎて、軽々には増税できないでしょう。しかし、過激なインフレに頼ったり、医療費や社会保障費を削ったりしなくても、財政を健全化する方法はあるはずです。例えば、オフショアビジネスで税金を払っていない富裕層にきちんと課税する。内部留保を積み上げている大企業にカネを使わせる。内部留保に直接税金をかけるのでは企業も抵抗するでしょうから、働き方改革の一環として、企業が社員の健康維持に投資するのに使ってもらうなどの方法もあると思います」(斎藤満氏=前出)

 ハッキリしているのは、これ以上、無能首相とボンクラ総裁に任せていてはダメだということ。日米首脳会談の行方は気になるが、足元で起きている日本経済の末期症状も注視する必要がある。




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http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/921f28aa83d2bf12a0d984093359c83e

谷川智行 @ttanigawa3 さんのツイート。

――やりました。北九州市議選、日本共産党10人全員当選です。定数削減のなか、本当に厳しい選挙でしたが、現有9から10議席に伸ばすことができました。
候補者の皆さんはもちろん、地元の後援会、支部の皆さん、全国から応援に入った皆さん、本当にお疲れさまでした。新しい議会が楽しみです〔23:48 - 2017年1月29日 〕――

最近あった、

FNNの世論調査の結果

(拙稿「FNN / 「安倍内閣支持率、60.7% 3年4カ月ぶり大台」」

参照。*http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/e4494a36073a8c78f3bc776af5c2f507

と明らかに齟齬する。

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東芝、三菱重工が傾いても…“原発世迷い言”の暗愚の宰相 溝口敦の「斬り込み時評」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/198523
2017年1月30日 溝口敦 ノンフィクション作家、ジャーナリスト 日刊ゲンダイ 文字お越し

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   27日、原発事業の縮小や大幅見直しを発表する東芝の綱川智社長ら(C)日刊ゲンダイ

 東芝は稼ぎ頭である半導体のフラッシュメモリー事業を3月末をメドに分社化し、外部の出資を仰いで2000億~3000億円の資本を調達する構えという。米原発子会社ウェスチングハウスの巨額損失約6800億円を穴埋めするため、優良事業の切り売りに入ったわけだ。

 ウェスチングハウスの損失が明らかになる前、東芝は17年3月期の連結純利益を1450億円と見込んでいたが、フタを開けてみればなんのことはない。負債が資産に倍する債務超過で瀕死の重症状態と分かった。

 ヘタをすれば東芝は原発に手を広げた咎めで倒産、解体しかねない。そしてもう1社、東芝と一緒に論じられることは少ないが、三菱重工も原発がたたって危うい状態に置かれている。

 同社はカリフォルニア州のサンオノフレ原発に蒸気発生器を納入していたが、12年に放射性物質を含む水が漏洩。同原発を運営する電力会社、南カリフォルニア・エジソン社など4社から約7000億円の損害賠償請求を受けている。

 しかも三菱重工は06年にフランスの原発会社アレバと提携し、中型の原子炉を共同開発してきたが、11年の東京電力福島第1原発事故で世界の原発をめぐる環境が一変、受注の取り消しや延期が広がった。そのためアレバは経営難に陥り、巨額赤字に苦しんでいる。

 アレバはフランス国営会社に近いが、ベトナムの原発計画が白紙撤回されるなど、環境は好転せず、仏政府としてはできるだけ負担を軽減したい。そのため提携関係にある三菱重工と日本原燃にアレバに対する約10%の出資を要請。出資額は400億~500億円に上るとみられるが、三菱重工はこれまでの行きがかりで断れない状態にある。

 原発に将来がないことは地震・津波国の日本ばかりではない。地盤が安定している外国にあっても、過酷事故対策や使用済み核燃料の処理問題など、いくつもの課題が解決のメドが立っていない。

 原発は当分の間、人間の手に負える技術ではあり得ず、廃炉という仮死状態に置くしかない。今後とも原発ブームは見込めず、三菱重工のアレバ出資は単にくれてやるだけの話になる。

 東芝、三菱重工といえば、日本の物づくりの基幹企業である。その2社が原発のために大きく屋台骨を傾けて、いいことは何もない。にもかかわらず暗愚の宰相安倍は「原子力利用を再びリードする」と世まい言を並べて、まるで福島の原発事故から学ぼうとしない。彼以上に世を害すること甚だしい政治家は、そうそういるものではなかろう。


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『私と介護』(新日本出版社)


 介護をめぐる様々な問題は深刻化の一途をたどっている。介護職員の過酷な労働環境、介護施設で相次ぐ虐待、悪徳介護ビジネスの跋扈、介護離職、介護による貧困、そして家族間での介護殺人や心中──。
 2025年には、団塊の世代約800万人が後期高齢者となり、後期高齢者人口は2200万人にまで達するという試算もある。これが介護の“2025年問題”だ。4人に1人が後期高齢者という超高齢社会で、誰しもが直面する可能性が極めて高いのが介護だ。
 そんななか、各界の著名人などが自らの介護体験を語った『私と介護』(新日本出版社)が刊行された。そこには島田洋七、春やすこ、ねじめ正一、城戸真亜子、安藤桃子、香山リカなど17人の赤裸々で率直な介護体験が語られている。
 たとえば『佐賀のがばいばあちゃん』で注目を集めた島田洋七氏は妻の母親(義母)の介護を経験している。1999年、佐賀で暮らす義母が脳梗塞で倒れたのだ。東京から片道2時間かかる老母の遠距離介護が始まった。しかし、こうした生活は過酷だった。
〈ある晩、僕が帰宅すると、嫁が娘に話していました。「こんな生活いつまで続くんやろ」。その声は疲れ果てていました〉 

 そのため島田氏は東京を引き払い、佐賀に引っ越すことを決意する。〈芸能界の仕事も大切かもしれないけど、それより親の方が大切やと思った〉からだ。その後14年もの間、夫婦と妻の兄弟を含めた介護生活が続いた。しかしお互いが率直に話し合い、介護も協力できたことで、それを乗り切ったという。

〈全部、一人で抱え込むのが一番あかん。無理せず家族にも頼って、自分でできる範囲で介護をしたらいいと〉

 両親のダブル介護を経験したのが、タレントの春やすこ氏だ。春氏の父親は20年以上前から脳梗塞で右半身が不自由となり、大病も繰り返した。そんな両親が心配で2005年に同居を始めた春氏だったが、その父親が階段から落ちて、要介護5となる。さらに今度は母親が自転車で転倒してしまう。春氏の2人の子どもも介護を手伝ってくれたが、それでも春氏の負担は大きかった。

〈朝6時前に起きて3時間おきにオムツを替え、食事を運ぶなど、一日中父の世話をしながら、母の通院につきあう生活です。
 くたくたになって、「なんで何もかも私が……」と、ストレスで過食になりました。しんどいときは、「お父ちゃんなんかさっさと死んでくれたら楽やわ」と毒吐いて傷つけたこともあります〉

 そんな春氏だったが、両親の気持ちを優先し、最低限の介護サービスしか利用しなかった。だが、その異変に気づいたのがケアマネージャーだったという。「今したいことは、なんですか?」との問いに、大学を卒業する娘との旅行を伝えると、「介護サービスを使って行ってきて」と背中を押されたのだ。その後、春氏は以前より介護サービスを使うようになり、気持ちの切り替えができたという。

 芸能一家も介護とは無縁ではない。母がエッセイストの安藤和津、父は俳優の奥田瑛二、さらに妹が女優の安藤サクラ、そして自身も映画監督という華々しい一家の安藤桃子氏は、祖母を家族総出で介護した。しかし介護に至るまでは紆余曲折あったという。それは寝たきりになる前、祖母がデパートでおもらしをしたことだった。
〈体の大きなひとだったから2人で入ると窮屈、尿の匂いも子どもと違ってきつい。手間取るうちに祖母が力尽きてへたりこんでしまい、思わず怒鳴ってしまいました〉
 桃子氏はこのことを現在でも後悔しているというが、その後も祖母は家族に下の世話をされることを拒否したという。
〈埋められない溝があって、しんどい時期でした。けれど、祖母が自らの現状と、家族の「助けたい」という気持ちを受け入れてくれたことで、介護は次第にスムーズになっていきました〉
 祖母は06年、83歳で亡くなったが、桃子氏は14年、介護をテーマにした映画『0.5ミリ』を監督する。その理由は次のようなものだった。

〈お年寄りの知恵を借りたり、大切に敬うことが今の日本では本当に少ないですよね。高齢者への敬意がない現状に怒りが湧きました〉
〈先人たちの知恵を、しっかり受け継ぎ、バトンタッチをしなくてはと思います〉 

 同書で語られるのはある程度、経済的に余裕のある人々でもある。環境の面でも恵まれているといってもいい。それでも、介護はそれぞれが多くの、そして多様な問題を抱えるものであり、苛烈なものには違いない。彼ら、彼女たちの語る言葉は、体験者ならではの切実なものだ。

「働いている人の収入が、大変な仕事の割には少ない」「東京オリンピックで本当に3兆円使うのなら、それを削って介護士さんの給料を上げてほしい」(島田洋七氏)
「相談できる人を見つけて、ためこまないこと。サービスも受けて、どんだけズボラにできるか考えると、気が楽ですよ」(春やすこ氏)
「仕事がなければ孤独に陥り、煮詰まってしまうでしょう。ブログなどで発信し、社会にかかわりながら誰かの役にたつことは、私自身の救いでもあります」(認知症の母親を介護するフードライターの大久保朱夏氏)
「介護は突然やってきますし、介護する側の心が豊かでないと成り立ちません。家族をサポートする体制をもっと増やしてほしい」(安藤桃子氏)
「政府はいま、施設介護を見直し、在宅介護にシフトさせようとしています。悪い方向ではありません。しかし、介護の働き手は備わっていないなかで、互助や家族でごまかされては困ります」(20代で母親を、30代で父親を、そして夫を在宅介護で見送ったノンフィクション作家・沖藤典子氏)


 しかし現実を見ると、こうした介護者たちの切実な声が届いているとは思えない。
 新年早々の1月1日、改正「育児・介護休業法」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)が施行された。
 この改正では、介護が必要な家族が1人いる場合、通算93日までだった介護休業を3回を上限に分割して取得できるようになった。また介護休業とは別に、労働時間短縮措置が利用開始から3年の間で2回以上の利用可能となり、残業免除もできた。その対象は正社員と一部の派遣社員で、介護についての休暇も1日単位を半日単位に改めるなどが盛り込まれている。

 しかし、これで問題が解決するかといえば、そうではない。これまでにも、「介護休業法」は存在し、93日までの介護休業が認められていたが、その取得率はわずか3.2%。それが分割で取れると改正されたからといって、劇的にその数字が上がるとは思えない。しかも申請すると企業は基本的に拒否できないが、その罰則は最大20万円の過料と、悪質な場合の企業名公表だ。これが一体どのくらい効力があるのか。現在の日本企業の体質を考えると大きな疑問が残るものだ。さらにパートなどの非正規や、契約1年単位の派遣社員、リタイア後の老老介護や、専業主婦に対しては、何の効力もない。

 そもそも本サイトでも何度か指摘したが、現在、安倍政権が推し進めているのが“家族による在宅介護”と“介護締め出し”政策だ。15年4月にも介護保険法が改正されているが、これで介護難民が減るどころか、特別養護老人ホーム(特養)の入所条件が厳しくなった。それまで「要介護1」以上だったのが「原則要介護3以上」と引き上げられ、それが介護保険法の施行規則に明記されたのだ。これでは入居したくても申込みすらできなくなり、門前払いされる要介護者が増加するだけだ。また入居できたとしても補助認定が厳格化され、さらにこれまで全員1割だった自己負担割合が、年金収入280万円以上の場合で2割に倍増した。

 介護保険料が値上げされた一方、介護報酬は実質マイナス4.48%と過去最大規模の引き下げになり、デイサービスなど小規模施設の閉鎖が相次いで問題になったし、介護職員の不足も深刻だ。

 こうした政策は、右肩上がりの介護保険制度の財政を抑えるため、家族による在宅介護に重点を置くものだ。要介護者が必要なケアを受けられないだけではない。家族にとっても、これまで以上に精神的かつ肉体的、そして経済的な負担が増加するということでもある。「介護離職ゼロ」どころか、はっきり言って、介護サービスの崩壊と高齢者の切り捨てだ。

 さらに家族による在宅介護を強要する“根拠”とすべく安倍政権が意欲を燃やすのが、来年の国会で提出を目指す「家庭教育支援法案」(仮称)だ。これは家庭教育を「家庭、学校、地域が一体となった支援体制の強化」(自民党プロジェクトチーム事務局長・上野通子参院議員)を狙いとするというが、実際には国家が家庭のあり方を規定し、家庭教育に介入するというトンデモなシロモノとみられている。実際、安倍政権は「家族は、互いに助け合わなければならない」という自民党の改憲草案の憲法24条、いわゆる“家族条項”の新設に見られるように、家族による「助け合い」を義務化しようとしており、「家庭教育支援法案」もその延長上にあることは間違いない。
 国や自治体がすべき社会保障を“家族”に丸投げするという“自己責任論”。しかも、前掲した『私と介護』でも介護経験者が指摘するように、在宅で介護をする人々を支えるための政策や取り組みがほとんどないのが現状なのだ。
 しかし、本当に必要なのは、家族であれ介護施設の職員であれ、介護する者への経済的サポートとともに、心と体の負担を減らすべく繊細で多様性のあるサポートシステム構築だろう。

 介護が必要な人々と、それを支える介護者のため、同書のように多くの著名人たちが声をあげる。こうした声が大きなムーブメントとなることを祈りたい。
伊勢崎馨


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