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気になるニュースを転載しています。

2016年10月

http://tanakaryusaku.jp/2016/10/00014719

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在日米軍普天間基地から飛来したオスプレイ。=23日、自衛隊朝霞駐屯地 撮影:筆者=

 「オスプレイが家の真上を飛ぶたびに不整脈が起き、苦しい思いをする」「CH46 ヘリが飛ぶ時は部屋か車に隠れればよかったが、オスプレイはどこにいてもダメ」・・・米軍基地周辺で暮らす沖縄住民の訴えだ。
 心理的にも生理的にも影響を及ぼすと言われる低周波。オスプレイの飛行に伴う低周波を2015年5月から沖縄の米軍基地周辺で計測してきた琉球大学工学部の渡嘉敷健准教授が26日、調査結果を発表した。
 オスプレイの低周波音は従来型のCH53、CH46よりも大きいと言われているが、渡嘉敷准教授の調査でもそれが証明された。
 オスプレイが夜10時を過ぎて11時直前まで飛ぶことも調査で裏付けられた。
 田中も高江の「N1裏テント」に泊まるたびに夜11時直前まで飛行するオスプレイのローター音を聞く。それは巨大な昆虫の羽音のように無気味に響く。
 オスプレイ配備の前と後の体調や健康について普天間基地周辺の住民に聞いたところ次のような結果となった(回答84名)。

「イライラ感が増す」・・・32%
「よく眠れない」・・・15%
「頭が重く感じる」・・・10%
「耳の奥に圧迫感がある」・・・8%
「吐き気がする」・・・5%


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オスプレイの低周波音を再現すると、スピーカーの上に置かれたプラスチック片が飛び跳ねた。CH46ヘリの時は微動するだけだった。=26日、渡嘉敷准教授の実験で(参院会館) 撮影:筆者= 

 渡嘉敷准教授によれば、防音工事をやってもオスプレイの低周波は室内に入ってくる。逃げ場がないのだ。
 オスプレイは在日米軍横田基地や岩国基地にも配備されることがすでに明らかになっており、陸上自衛隊も導入を決めている。
 日本全土をオスプレイが飛び交う日は遠くないのだ。
 在日米軍基地や自衛隊基地周辺の住民は、沖縄県民と同じように低周波に苛まれるようになるだろう。
    ~終わり~

  ◇
今月は新潟、沖縄と地方取材が立て続き、『田中龍作ジャーナル』は台所が危うくなっています。

権力の横暴に潰されそうになっている人々の声を伝えていくには、皆様のご支援が頼りです。田中龍作に取材活動を続けさせて下さい…http://tanakaryusaku.jp/donation

http://tanakaryusaku.jp/2016/10/00014728

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新潟県知事選挙で母親たちのまとめ役をつとめていた女性(右)が激励に駆けつけた。=30日朝、富山市内 撮影:筆者=

 菅義偉官房長官、稲田朋美防衛相に「白紙領収書問題」が発覚した。ところが菅官房長官の「問題ない」(6日、衆院予算委)のひと言で在京テレビ局と全国紙は一斉に沈黙してしまった。
 同じような問題に直面しても富山の地元紙は沈黙しなかった。徹底追及し議員を辞職に追い込んだのである。
 白紙領収書や偽造領収書を用いるなどして政務活動費を不正受給していた議員12人(自民10人、民進2人)が辞職した富山市議会。同市議会の補欠選挙がきょう、告示された。
 立候補者の中にひとりの主婦がいた。上野ほたる候補(32歳)。2児のママである。政党と支援関係のない真の無所属候補だ。
 立候補の大きなきっかけは、市政の政治活動費不正受給だった。
 「市政と市民が本当に求めるものがかけ離れていると思う。私は一市民。市民中の市民なので、市民の気持ち、子どもを育てる母親の気持ちもわかる。
 大きな政党に有利な仕組みができてしまっている。今後変えていかないと自分たちのためにも子ども達のためにもならない」。上野候補は切々と語った。
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「暗い富山市政に明るい光を!!」富山市議会は全国47の中核市のなかでも唯一インターネット中継が行われていない。(12月開始予定)=30日朝、富山市内 撮影:筆者=

 市議会の開催日は年40日前後。議会での一般質問時間はひとり年間60分。仕事は ほとんど していないと言ってもよい。兼業も認められている。
 にもかかわらず議員たちは60万円の月収を70万円に上げる条例案を可決したのである。あげくに不正受給である。
 手口はこうだ ―
 業者から大量にもらった領収書に自分で金額を書き込む、領収書をパソコンで偽造する、1ケタ多く数字を書き込んで水増し請求する等々。
 地元紙『北日本新聞』によると不正が判明し、返還された金額は自民党会派が2048万円。民進党系も合わせた返還総額は4028万円にものぼる。
 政務活動費は議員一人当たり年間180万円支払われているが、富山市議会の全会派が使い切っていた。市民オンブズマンの調査によると、「使い切り率100%」は、全国47の中核市では富山市議会だけだった(昨年度)。
 補欠選挙にかかる費用は1億円。議員の不祥事を税金で賄うのである。有権者はたまったものではない。
   ~終わり~

   ◇
読者の皆様。今度は富山に来ました。地方の深刻な問題をマスコミがまっとうに報道しないため、『田中龍作ジャーナル』が伝えるほかありません。ご支援何卒宜しくお願い致します…http://tanakaryusaku.jp/donation


http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016103101001540.html

 警視庁は31日、古物営業法違反の疑いで、イスラム学者で同志社大の中田考元教授(56)らが経営する東京都豊島区の古物店と、同区内の中田元教授の自宅などを家宅捜索した。
 捜査関係者によると、中古品を買い取った際に、同法に基づいて相手の身分確認をした結果を帳簿に記載していなかった疑い。
 イスラム世界に広い人脈をもつ中田元教授を巡っては、北海道大を休学中だった男性が過激派組織「イスラム国」(IS)に加わろうとした事件で、警視庁が2014年10月、関係先として私戦予備・陰謀容疑で元教授らの自宅を捜索している。
(共同)

 警視庁が家宅捜索した東京都豊島区の古物店=31日午後
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2016103101001585.jpg
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明らかに別件捜査・嫌がらせですね。


http://lite-ra.com/images/yamamotoyuji_01_161029.jpg 衆議院議員山本有二公式サイトより


 来週以降に採決もちこしとなったTPP承認案および関連法案だが、「強行採決」発言の山本有二農林水産大臣に“疑惑”が噴き出している。

 なんと、米の売買同時入札(以下、SBS)を巡る不正取引問題で農水省の調査対象となっていた輸入業者や卸売業者から、山本農水相が資金提供を受けていた、というのだ。
 この問題は昨日28日の衆院TPP特別委員会で民進党の宮崎岳志議員が追及。宮崎議員は質問の事前通告を行っていたというが、しかし、山本農水相は「事前通告をもらっていないのでお答えできない」という答弁を何度も繰り返し、審議がストップする事態に。そして、渋々といった様子で、こう答えたのだ。
「過去に一件、この米卸業者からパーティ券の購入があった事実がある、ということであります」
 つづけて「輸入業者からもありますよね?」と追及されると、今度は「お調べになって輸入業者の名があるならば、それはそうなのかもしれませんが私は確認しておりません」などと回答した。
 山本農水相がSBS米の輸入業者と卸売業者の両方から資金提供を受けていたとすれば、農水相失格であるのはもちろん、まさに今、推し進められているTPPのインチキを証明するものといえよう。
 SBSというのは、外国産の米について、国が輸入商社から一旦、買い取り、さらに金額を上乗せして米卸業者に売る。そのことで、国産米との価格差をなくそうとする制度だ。

 政府はこのSBSによって、国産米と輸入米の価格がほぼ同水準と言い張っており、TPP交渉において、アメリカとオーストラリアから年間最大約7.8万トンもの無関税の米輸入枠を新設することを妥協した際も、SBS方式を根拠に国産米に輸入拡大の影響はないとしてきた。
 ところが、今年9月、輸入商社と米の卸業者がグルになって、不正取引を行っていたことが発覚した。そのやり口は、表向きの価格より安く仕入れながら国にそのまま高く売りつけ、その差額を卸売業者に調整金として裏で支払うというもの。この調整金のおかげで、卸売業者は表向きの価格より安い値段で輸入米を購入する結果となり、実際は市場に国産米より安い輸入米を流通させていたのだ。
 しかも、これは1社や2社の話ではなく、業界全体の慣行になっていた。
 日本農業新聞が行った輸入商社への聞き取り調査では、回答した全社が輸入米を扱う理由を「国産米より安いから」とし、取引する米の相場も「国産品より2割安」とする回答がもっとも多く、なかには「4割安」という回答もあった。
 ところが、農水省はこうした実態を把握していたにもかかわらず、隠蔽していた。農水省は問題発覚時には「調整金」の存在を「知らなかった」と回答していたにもかかわらず、翌日には2014年から把握していたと見解を一転。その上、今月7日に発表した実態調査結果では「国産米の需給と価格に影響を与えていることを示す事実は確認できなかった」として事態を収拾しようとしたが、あまりに調査が不十分であったために批判が起こっていた。
 たとえば、農水省は調整金分を値引きに使って輸入米を販売していた会社は1社もないと発表していたが、毎日新聞の取材に卸売業者10社が「輸入米の値引きに使った」と証言している(10月27日付)。また、調整金を受け取った卸売業者が実際はいくらで流通させていたかについての調査において、農水省は2社からしか聞き取りを行っていないという指摘がなされていた。だが、山本農水相は今月11日の会見で「民間ビジネスの機微に触れる内容なので調査は任意で行わざるを得ない」などと弁明し、問題の幕引きをはかろうと必死だった。
 ところが、SBS米の不正取引の隠蔽を行っていた省のトップである山本農水相が、その不正取引の当事者である輸入業者と卸売業者から資金提供を受けていたのである。隠蔽と関係していたといわれてもしようがないだろう。
 そもそも、山本農水相の農業行政、TPPに対する態度はいたって不誠実なものだ。昨年11月には、地元である衆院高知2区の須崎市で開かれた「JAまつり」で行われていた「TPP交渉『大筋合意』撤回」という署名に、「現在の大筋合意以外に対策が必要。いまの段階では反対するので署名する」と言ってサインしていたことを、今月27日のしんぶん赤旗が伝えている。

 その一方では、TPPで甘い汁を吸う輸入米業者から資金提供を受け、安倍内閣の一員になったとたんに「強行採決」発言を行って、TPP推進の旗振りを務めてきた。
「山本農水相の無節操ぶりは有名で、金や票になるならなんでもやるタイプ。かつてはサラ金業者の代弁をしたこともあるし、パチンコ議連にも加盟していた。2012年に官製談合が発覚し、指名停止処分を受けた高知県内の建設会社の役員から、同年から3年間で220万円の個人献金を受け取っていたことも発覚しています」(全国紙政治部記者)
 カネの問題は事務所でも起こっている。「週刊文春」(文藝春秋)の取材によれば、山本事務所では複数の秘書に対して労働基準法で定められている雇用契約書を作成せず、「給料は全部込みで○円」といった残業代が支払われないという“ブラック企業”さながらの雇用形態であったことが判明。これはあきらかな労基法違反だが、今週号でも元秘書が、ガソリン代が自己負担であったことや、公職選挙法で禁止されている戸別訪問にあり得ないノルマが課せられていたことなどを告白した。
 こんな人物がこの国の農業行政のトップをつとめているのだから、日本の農業を壊滅させるようなTPP推進に歯止めがかからないのは当然だろう。というか、日本の農業なんてとっくに切り捨てている安倍首相にとって、農水相なんてもはや誰だっていいのかもしれない。
編集部


http://lite-ra.com/images/abeabe_150903_top.jpg 安倍晋三公式サイトより


「結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」と言ったのは誰だったのか。──安倍政権は早ければ11月1日に環太平洋経済連携協定(TPP)承認案と関連法案を衆院で強行採決する見込みだという。

 しかし、一体何のために政府はこれほどまでにTPPに前のめりなのか。安倍首相は「日米関係の強化」などと述べ、政府筋も「オバマが成立したがっているのだから仕方がない」と言うが、当のアメリカの世論はTPPに批判的で、トランプもヒラリーも反TPPの姿勢を強調。さらにオバマ大統領が任期中にTPP発効の承認を議会で得ることは難しく、アメリカが批准する可能性はゼロに近づきつつある。こうした事態に自民党の茂木敏充政調会長も「TPPも通せないような大統領は、私はアメリカの大統領じゃないなと思いますね」と言い出す始末だ。
「アメリカのためのTPP協調」だったならば、日本にもはや意味をなさなくなったはず。なのになぜ強行採決までして押し進めようと躍起なのか。その理由は、呆気にとられるようなものだ。
「オバマなんてたんなる言い訳で、TPPは経産省の“悲願”だからですよ。戦前、軍部が悲願のために暴走したのと同じで、走り続けてきたものをもう引き返せなくなっているだけ。とくに安倍首相の主席秘書官である今井尚哉氏は経産省出身で第二次安倍政権のTPP交渉を後押ししてきた人物。官邸も“TPPありき”で進んできたので、何の合理性もないんです」(大手新聞政治部記者)
 制御不能のフリーズ状態に陥りながら、満足な説明もないままTPP承認案・関連法案はいままさに強行採決されようとしているというのだ。国民を馬鹿にするにも程があるだろう。
 しかも、安倍政権は馬鹿にするだけでなく、嘘の説明によって国民をあざむき続けている。
 まず、安倍首相は「TPPの誕生は、我が国のGDPを14兆円押し上げ、80万人もの新しい雇用を生み出します」と今年1月の所信表明演説で述べたが、これは空言虚説と言うべき恣意的な数字だ。
 そもそも、安倍政権は2013年の段階では「TPPによって10年間でGDPが3兆2000億円上昇」と公表していたが、これに対して理論経済学や農業経済学、財務会計論などの多岐にわたる研究者たちで構成された「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」は、同年、「GDPは約4兆8000億円減少」「全産業で約190万人の雇用減」という影響試算を出している。

 さらに、アメリカのタフツ大学も今年1月、「日本のGDPは10年間で0.12%(約56億4000万円)減少、約7万4000人の雇用減」という影響試算を公表。これらは政府とはまったく真逆の評価だ。
 この影響試算の食い違いについて、元農林相でTPP批准に反対してきた山田正彦氏は著書『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!』(サイゾー)で、政府試算は〈関連産業や雇用への影響など、ネガティブな面を考慮に入れず、地域別の試算もなされていないため国民生活への悪影響が出てこない〉ものだとし、一方の「大学教員の会」やタフツ大学の試算はネガティブな面も含めて試算された結果であることを指摘している。つまり、政府試算は〈ネガティブな面をほぼ無視した数字〉でしかないのだ。
 しかも、安倍首相は昨年10月のTPP大筋合意の後の記者会見で、農産物重要5品目(コメ、麦、牛肉、豚肉、乳製品、砂糖)の“聖域”を死守したとし、「国民の皆様とのお約束はしっかりと守ることができた」「関税撤廃の例外をしっかりと確保することができました」と語ったが、これもとんだ詭弁だ。山田氏は前掲書で、〈重要5品目の分野が586品目あり、そのうちに関税が撤廃されるものは174品目、残りは関税が削減されるものなので、それだけでも約3割は「聖域は守れなかった」と断定できる〉と批判する。
 さらに、同年11月に公表された協定案では、アメリカ、オーストラリアなど5カ国と、相手国から要請があれば協定発効から7年後には農林水産物の関税撤廃の再協議に応じる規定があることがわかった。これはあきらかに日本を狙い撃ちした規定であり、7年間の“執行猶予”を与えられただけだったのだ。
 にもかかわらず、テレビは大筋合意を政権の言うままに「歴史的快挙」などと大々的に取り上げ、「牛肉や豚肉が安くなる」「これで品薄状態のバターも安価で手に入りやすくなる」などと強調。報道によって、他方で甚大なリスクがあるという事実を隠してしまったのだ。
 少し考えればすぐわかるように、輸入品が増えることによって国内の農畜産物が大打撃を受けることは明々白々で、廃業に追い込まれる生産者は続出するだろう。となれば、食料自給率も低下するのは必然だ。日本の食料自給率は2015年のデータでもカロリーベースで39%と主要先進国のなかでも最低水準なのだが、農林水産省は2010年の試算でTPPが発効されれば食料自給率は14%に低下すると発表している。それでなくても命に直結する食を海外に依存している状態であるのに、もしも気候変動で農作物が凶作となり輸入がストップしても、そのとき国内に広がっているのは生産者のいない荒廃した農地だけだ。

 それだけではない。アメリカなどでは牛肉や豚肉、鶏肉などに発がん性リスクが懸念されている成長ホルモン剤を使っており、食肉だけではなく牛乳などの乳製品にも健康リスクへの不安は高まる。くわえて心配なのが、遺伝子組み換え食品の問題だ。前述した山田氏は〈TPP協定では、何とこれらの遺伝子組み換え鮭など数多くの遺伝子組み換え食品を安全なものとして、域内での自由な貿易を前提にさまざまな規定が置かれている〉と指摘し、現行では遺伝子組み換え食品には表示がなされているが、これもTPP協定下ではできなくなってしまう可能性にも言及。そればかりか、「国産」「産地」といった表示もできなくなる可能性すらあるのだという。
 しかし、こうした問題点は氷山の一角にすぎない。TPPをめぐる問題は、挙げ出せばキリがないほど多岐にわたる。たとえば、山田氏が前掲書で提起している問題を一部だけ取り出しても、この通りだ。
・リンゴやミカンなどの果樹農家が打撃を受け、水産業・関連産業で500億円の生産額減少
・残留農薬や食品添加物などの安全基準が大幅に下がる
・薬の臨床試験や検査が大幅にカット。また、ジェネリック薬品が作れなくなる可能性
・医薬品はさらに高額となり、タミフル1錠7万円のアメリカ並みかそれ以上に
・健康
保険料が現在の2〜3倍になり、国民皆保険も解体される可能性
・パロディなどの二次創作物が特許権に反するとして巨額の損害賠償を求められるように
・政府はプロバイダを
規制できるようになるため「知る権利」「表現の自由」が大きく損なわれる
・外国企業から訴えられるために最低賃金引き上げができなくなる
 そして、最大の問題が、「ISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項)」だ。前述した遺伝子組み換えの食品表示などもISD条項が問題の根本にあるが、それはISD条項が企業などの投資家を守るためのものであるためだ。しかも、国内法ではなく国際仲裁機関が判断を下すISD条項は、〈最高裁判所の判決よりも、ワシントンD.C.の世界銀行にある仲裁判断の決定が効力を生じることになっている〉(前掲書より)。これは日本国憲法76条第1項「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」に反することになる。さらに〈私たちに憲法上保障されている基本的人権もTPP協定によって損なわれていくことになる。憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあるが、TPPでは貧富の格差がさらに拡大して、金持ちでないと医療も受けられず、安全な食料も手に入らなくなってくる〉のだ。

 昨年、来日したノーベル経済学者のジョセフ・E・スティグリッツ教授は「ISD条項で日本国の主権が損なわれる」と指摘したというが、この言葉通り、TPPはわたしたちのいまの生活を悪化させるだけでなく、憲法という根底さえも崩す。そう、「TPPは、グローバル企業のロビイストたちが書き上げた世界の富を支配しようとする管理貿易協定」(スティグリッツ教授)でしかないのだ。
 このような問題点は国会でも野党が追及、参考人質疑でも専門家から厳しく指摘がなされたが、安倍首相は「TPP協定には、わが国の食品の安全を脅かすルールは一切ない」などと大嘘をつくだけで、同じように山本有二農水相も石原伸晃TPP担当相も納得のいく具体的な説明を一切行っていない。情報開示を求められた交渉記録さえ、いまだ黒塗りのままだ。
 国民からあらゆるリスクを隠蔽し法案を強行採決する──特定秘密保護法や安保法制でも安倍首相のそのやり口を見てきたが、またしても同じことが、いままさに繰り返されようとしているのである。
野尻民夫

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