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2015年11月

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/170427

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現在も講演など精力的に活動する(C)日刊ゲンダイ

 戦時中、朝日新聞記者として中国や東南アジアでの惨禍を目の当たりにした後、終戦の日に新聞人としての戦争責任を取る形で辞表を提出した気骨のジャーナリストである。現在100歳。先月31日、戦争の動乱期のためもらいそこねた母校・東京外語大の卒業証書を、80年目にして受け取った。その際の挨拶には「第3次世界大戦を起こさせないように」という強い思いが込められていた。世界と日本を覆う不穏な空気に私たちはどうあらがったらいいのか。生涯、反戦を訴えてきたこの人の言葉は重い。

■今は人類滅亡の曲がり角

――外語大で卒業証書をもらいました。大事なことを2つおっしゃったそうですね。

 ひとつは80年経って卒業免状を下さる外語大に対する感謝と尊敬ね。個人でも団体でもヘマをする。それに気づいたら、何年経とうがきちっとけじめをつけるということが、どうも日本人は不得手なんだけど、外語大がそれをやったのは偉いことです。もうひとつは、人類語大学とか人類文化大学院という校名にして、単なる言葉の養成所ではなく、もっと大きな役割を果たして欲しいと言いました。人類は700万年の歴史の中で、滅びるかどうかの曲がり角に来ているというのが私の考え。文化を根底から立て直す時なのです。

――日本人はけじめをつけるのが不得手ですか。

 私はジャーナリズムに携わっているけど、ジャーナルというのは日記で、個人日記は、何時に起きた、何時にご飯を食べたなど、1日の記録だけ。ジャーナリズムとismが付くと社会の日記になる。昨日何やった、今日こうだった、だから明日こうなるだろうと、過去現在未来のつながりの中で社会を見ていく。民族でも生き方の違いがある。世界全体の中で歴史を意識しながら生きてきた種族と、その日その日の暮らしに追われ、短い1日を生きる人間とは違う。島国の日本の場合は、その日暮らしが多いんだな。漁民も農民もそれぞれの日の天候に左右される。過去現在未来というつながりの中で生きるということが、日本人は残念ながら不得手だったと思うんです。

――だから、先の戦争のけじめがつけられていない。


 昭和20年の8月にポツダム宣言を受諾した時、日本の国民と政府が一緒になってやるべきことは、戦争の締めくくりだった。それは3つある。まず、あの戦争を誰が、いつ、どうして始めたのか。軍部だというけど、軍部のどういう勢力なのか。中国の領土の一部を取ろうとした戦いが、なぜ米英仏相手の戦いになったのか。次に、戦場で何をやったのか。南京虐殺や慰安婦の問題があるけど、一体どうだったのか。そして原因の究明と償い。これら3つをドイツはやったんですよ。ナチスを止められなかったドイツ国民全体にも責任があるとして、償いも一生懸命やった。それでドイツは許されて、いま欧州のリーダーになっている。日本はどうかというと、韓国や中国との関係さえもうまくいかないじゃない。

――人類が滅びる曲がり角というのは、どういうことですか?

 評論家やマスコミ関係の中で「第3次世界大戦」という言葉を使っているのは、恐らく私だけのようだけど、私はそういう捉え方をしているの。世界は第1次、第2次の大戦を経験し、その流れが解決できないまま続いています。要するに国家エゴイズムだな。だから国際連合にしてみても、なかなか機能を果たせていない。例えば地球温暖化の問題。10年ぐらい前から工場の生産と人間の生活スタイルを変えようとしているけれど、後進国と先進国の責任のなすりつけ合いで、全然決まらないでしょう。そして原子力の問題。原子力はすでに兵器として利用されているけど、実際、世界に(核兵器が)何発あるのか。国連できちっと調べるべきなのに、それがない。1万5400発というのがいま一番多い数字だけれども、冷戦時にロシアも米国も3万発を目標に生産を開始したという話もある。いまもこれを持っているのか。第1次も第2次も、ちっぽけなことがきっかけで世界大戦になった。いまも世界のあちこちで戦争の種になりうるようなことが起きています。IS(イスラム国)の行動は、宗教と政治の危険な絡み合いを物語っている。それがパリ市のど真ん中に現実に悲劇を生む状況は、極めて血なまぐさい暗黒を示しています。

――世界情勢がかつてないほど危険な状態にあるという認識ですね。

 国連加盟国が約200ある中で、決定的な影響力のある国は、米国、ロシア、中国の3カ国でしょう。ところがどこも安定していない。米国は間もなく大統領が交代する。中国は1党独裁に対する民衆の不満がある上、好景気に見えた経済が足踏みして止まった。そして重要なのは、米ロ中に少数民族が多数いること。彼らが、圧迫や侮辱はごめんだと動きだしているけれど、きちんと対応できていない。超大国が米ロ中の3カ国になってしまったから、これが2対1になれば戦争が始まる危険性がある。だから、独や英や日本などが、この3カ国を2対1にしないように努力しなければいけないわけだ。ところが日本は、オバマ大統領の手下のような格好で、それでいて安倍首相はオバマにほとんど相手にされていない。ぶざまなもんだ。英独だって、ロシアの100ある少数民族を解体して、ロシアをグチャグチャにしたい。どこにも戦争を止めるプラス要素がないのが現状です。

――そんな状況下で、安倍政権が違憲の安保法を成立させ、日本も危ない状況になってきています。

 憲法9条、あれは何だと思いますか? 日本の側は9条を、あの15年戦争の後に行き着いた、誇りを持って地球上で生きていくための美しい旗印と受け止めた。戦争のない世界をつくるために先頭に立って頑張るぞと。しかし、連合国にとって9条は「日本を国家として認めない」という罰則だった。現代国家の条件は軍隊を持ち、戦争をやれるということですから。美しい旗印ならば、戦後70年経って、国連加盟の200カ国の中で、日本と同じ9条の条項を作る国が出てきてもいいのに、聞かないじゃない。本当は昭和20年の段階でこの矛盾に気が付いて、日本人はおいおい泣きながら、これは違うぞ、と問題にすべきだったんです。

■憲法9条は連合国からの罰則


――それを理由にして、安倍首相たち自民党のような憲法改正を目指す勢力があるわけですが……。

 だけど、日本は戦後70年間、実際に戦争をしなかったし、ひとりの戦死者も出なかった。それで、憲法9条が連合国の罰則だったということを抜きにして、やはり日本人として平和憲法は大事だなと思う人が育ってきたのだと思うんです。それじゃあダメだというのが安倍首相で、米国と手をつなぎ、強国と一緒に発展していきたい。そのために、米国との軍事同盟を強くして、戦死者が出てもやむを得ないような体制に持っていこうとしている。

――第3次大戦を回避するため、日本人はどうしたらいいのでしょう?

 非常に困難で危険な状態になると、出てくるのが「英雄待望論」です。昭和の初め、爆発的に売れた本が、哲学者の鶴見俊輔の父・祐輔の「英雄待望論」だった。日本人の悪い欠点なんだけど、神様、仏様と全部、人様頼み。そして、そういう苦しい社会状況を助けるのに「解放」という言葉がある。「解放」には2種類あって、ひとつは「解き放つ」、もうひとつは「解き放ちやる」。「解き放つ」は苦しむ人たちが自ら縄をブッタ切ることで、「解き放ちやる」は英雄を待って解き放ってもらうこと。これまではずっと「解き放ちやる」できたけれど、それじゃあダメだ。

――受け身ではなく、能動的に動けということですね。

 第3次大戦が始まれば、酷い目に遭う。それが嫌なら、英雄を待っていてはダメ。人類の長い歴史の中で、こうなったら困るという事態に直面しているのなら、困る人間が動かなければならない。何にも難しい理屈はいらない。人間にとってこれは許せない、という感覚で、声を上げるということ。国会周辺だけじゃなく全国で「安倍政権打倒」の声が上がった。今後、憲法改正に向かうような動きになれば、叫び声はもっと高くなるでしょうが、一番の問題は民衆なんだ。だからマスコミも、こうした危機的な現状について「あなた方、これでいいんですか」と読者にブツけなきゃいけないね。


▽本名・武野武治 1915年、秋田県生まれ。東京外国語学校スペイン語科卒。朝日新聞記者として中国、東南アジア特派員。45年8月の敗戦を機に書いた戦争記事に責任を感じて退社。秋田で週刊新聞「たいまつ」を創刊。100歳の現在も現役記者として講演など精力的に活動。

http://tanakaryusaku.jp/2015/11/00012530

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イスラエルとの戦争(2006年)で破壊されたビル。12日のテロではない。=29日、ベイルート市内 写真:筆者=

 12日、大規模テロがあったダーヒヤ地区に入った。ダーヒヤ地区には高級住宅街とスラムが混在する。
 自爆テロにより約280人もの死傷者を出したのはスラムのあるエリアで、ブルジュ・ブラージュと呼ばれる。
 ここには精強なイスラエル軍が手ひどい敗北を喫してきたヒズボラの本部がある。
 アサド政権と親密な関係にあるヒズボラは、当然のごとくISと敵対する。テロがISの仕業だとする根拠のひとつだ。
 警戒は厳重を極める。ブルジュ・ブラージュの交差点という交差点にはレバノン軍のチェックポイントがあり、兵士が検問にあたる。
 爆破されたビルはビニールシートがかけられていたりして、破壊の凄まじさを外から窺うことはできない。

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シリアで戦死した兵士の写真。きょうはヒズボラから許可が出なかったため、車中からの隠し撮りとなった。=29日、ブルジュ・ブラージュ 写真:筆者= 

 街のいたる所にヒズボラの若い兵士の写真が掲げられていた。シリアでISと戦い命を落としたのだという。
 戦死した兵士は殉教者として祀られる。彼らの写真が街に掲げられること自体、紛争地域に行けば当たり前のことなので驚きはしない。
 田中はただ やるせなく なった。シリアのアサド政権がヒズボラに依頼して兵士をシリアに赴かせているのだという。
 レバノンに強い影響力を持っていたアサド政権はヒズボラと親密な関係を保ってきた。ヒズボラはアサド政権の要請を むげに 断ることはできないのである。
 スラム街にあって満足な仕事に就けなかった若者がシリアでISと戦い殉教すれば、死後はヒズボラが家族の生活まで面倒を見てくれる、という。
 究極の経済的徴兵制である。
  ~終わり~

   ◇
パリが襲われる前日の12日、ベイルートで大規模テロがあったにもかかわらず、日本や欧米のメディアが大きく報道することはありませんでした。

メディアは「被害者=フランス」「加害者=アラブ」の構図に持って行こうとしているのでしょうか。
『命の重さに差があっていいはずはない』。義憤に加えて、欧米のメディアがほとんど伝えない理由を探るため、田中はベイルートまで足を伸ばしました。こちらも借金です。ご支援何卒お願い致します。↓

田中龍作の取材活動支援基金

権力者が何でもできる国になりました。独裁に抗するには真実を明らかにしていく他ありません。真実を見届けるため現場に行くには想像以上に費用がかかります。田中龍作の取材活動に何卒お力を貸して下さい。1円からでも10円からでも有難く頂戴致します。
田中龍作

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

レバノン

http://www.iwate-np.co.jp/fudokei/y2015/m11/fudo151125.htm

 板書した一本の線を指して「線にも厚みはある」と先生が言った直後、猛然と反論した男子生徒がいた。中学入学直後の記憶だ
▼「ほう」と先生。「黒板に書けるかい」と彼に問う。彼は「書けるよ」と言うと、色違いの2本のチョークを境目がピタリと接するように黒板にすりつけた。その部分は、なるほど厚みのない線だ。自分の目が丸くなるのが分かった
▼パリ同時多発テロを受け、仏大統領は「フランスは戦争状態にある」と言った。違和感に襲われるうち、テロで妻を失った男性が「憎しみという贈り物を君たちにはあげない」とネットにつづったと知り、あの日のように目が見開いた
▼非常事態を延長し国内監視を強める一方、過激派組織の壊滅作戦を激化させるのは被害国として当然の反応に違いない。一方で、それが難民の惨状を一層悪化させ、新たな憎しみを生む構図は犯行グループの思うつぼでもあるだろう
▼「憎しみ」を容疑者への「贈り物」と表現した男性はジャーナリストという。同業の端くれとして、戦争状態とする「常識」を常識としない壮絶な覚悟を、心の底から崇敬せずにはいられない
▼「怒りで応じてしまったら、君たちと同じ無知に屈することになる」。強硬論が高まる仏国内にあって、この精神こそよほど「攻撃的」ではなかろうか。

http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2015/m11/r1130.htm

 同性を好きになったり、心と体の性が一致しない性同一性障害などの性的少数者は、長らく偏見の対象となってきた。「性別は男女しかなく、結婚は男女がするもの」との通念が根強いためだ。
 偏見が差別、孤立を生み、時に絶望的心理へ追い込む。同性愛男性の自殺未遂率は異性愛男性の約6倍だ(日高庸晴・宝塚大教授ら調査)。
 だが、当事者が自ら声を上げ続けてきたことで、少しずつ「性の多様性」を尊重する社会になってきた。東京都渋谷区は今月から、同性のカップルを結婚に相当する「パートナーシップ」と認める証明書の交付を始めた。
 性的少数者が生きやすい社会とは、全ての人が尊重される社会でもあるはずだ。当事者の声に耳を傾けることから、心の壁を取り払いたい。
 多様性が尊重される社会を、どのように実現していけばいいのか。同性愛を告白し、本県などで理解を呼び掛ける活動をしている内海章友さん(性と人権ネットワークESTO副代表)が東日本大震災直後、避難所で経験した出来事は示唆に富む。
 内海さんは仙台市内で被災し、石巻市在住の両親を探しに向かうが津波に阻まれた。「神も仏もない」。絶望の中、避難所になった小学校の教室に転がり込んだ。
 「私は皆さんの憂さ晴らしになればと思って、教室の一人一人の話をひたすら傾聴しました。すると、すごいことが起こったんです。みんなが互いの苦しさを理解し合い、トイレ当番など役割も担うようになったのです」
 一方、他の教室では男性同士が言い争うなど混乱が生じていた。この違いは何か。一人一人の尊重に始まる人間関係づくりが、相互扶助の心を呼び起こしたと言えよう。
 むろん、共生社会実現の道のりは険しい。性同一性障害の人たちは今、マイナンバー制度に不安を募らせている。
 雇用主の求めに応じ、性別が記載されたカードを提示しなければならないが、戸籍と違う性を申告して働いている人は多い。戸籍上の性別を変更できる性同一性障害特例法が2004年に施行されたものの、その要件は厳しい。
 民間団体の調査には「性別がばれるので退職する」「自殺以外に選択肢はない」など悲痛な声が多く寄せられた。
 自殺対策基本法に基づく総合対策大綱は、性的少数者を自殺ハイリスク層として「理解促進の推進」を掲げる。国は率先して当事者の窮状を理解し、制度を改善すべきだ。
 内海さんは後日、両親と再会。古里を失い、東京都内で避難生活を続ける。「社会にはいろんな人がいる。それだけは分かってほしい」との切なる思いを受け止めたい。

http://www.kahoku.co.jp/column/kahokusyunju/20151130_01.html

 中国・南宋の詩人、陸游は憂国の人で知られる。北方族の金にあらがう激しさを歌うとともに、酒と友を愛した。<笑うなかれ農家のろう酒濁れるを 豊年客をとどむるに鶏豚(けいとん)足れり>。笑ってくれるな、どぶろくなどと。豊作で酒のさかなはたっぷりありますぞ▼中国古典文学の第一人者が神戸大名誉教授の一海知義さんだった。陸游の本を世に出し、古代から現代に至る漢詩の世界へ豊かな言葉でいざなった。エッセーに『酒の詩人』と題する一文がある▼「酒を詠じた詩人の双璧は、陶淵明と李白であろう。2人には300年の隔たりがあるが、後人の李白が淵明を呼び寄せ、酌み交わす歌を一つ」とおっと思わせる。<両人対酌すれば山花開く 一杯一杯復(ま)た一杯>。いつもひとり酒の淵明と、にぎやかな李白を見事に対比させている▼一海さん急逝の報が届いた。ついこの前まで、東京の出版社の月刊誌に230回を超す連載を執筆していたばかり。中国古典ファンに静かな悲しみが広がる。86歳の生涯だった▼難しい詩歌をこれほど分かりやすく楽しませてくれる学者も、そういないだろう。日本と中国の文化をつなぐ一海さんのような存在が少なくなってきた。両国が、お互いに深いところで認め合う大切さを筆を通して伝え続けてくれた。

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