価格を据え置いた店舗の不安も尽きない。トマトを中心にした野菜を販売する関川里美さん(55)は契約農家と交渉して仕入れ値を抑えることなどで価格転嫁を回避。それでも遠方からの客足は鈍る傾向にあるという。「頑張るしかないが、これ以上の増税には耐えられない」。関川さんの表情はさえない。
江東区の佐々木芳江さん(72)は、財布の中の現金が減るのが早くなったと感じている。増税後は、小分けの食材を買って腐らせるのを避けたり、週1回程度の夫との外食も控えたりしているという。「我慢するしかないが、切り詰めるばかりの生活には、正直疲れた」。佐々木さんからは、ため息が漏れた。