東京電力は二十八日、二〇一三年度の電力需給見通しを発表した。今夏の最大供給力は、新たに石炭火力発電所二基が加わり、最大需要を大きく上回る見通し。昨夏に続いて原発なしでも、数値目標を掲げた節電要請は回避できる見込みだ。
さらに今年は、四月から広野火力6号機(福島県)と常陸那珂火力2号機(茨城県)の試運転が始まり、計百六十万キロワットが加わる。震災後に一時的に設置した小さな発電機四十四万キロワット分を廃止するものの、水力発電が平年並みに稼働すれば、単純計算で五千八百万キロワット以上の電力を確保できる見通しだ。
一方、同社は収支改善のため、停止中の柏崎刈羽原発(新潟県)の早期再稼働を主張。しかし、原子力規制委員会が規制基準を決めるのは七月以降で、新潟県の理解も得られていない。再稼働が遅れると、火力発電の燃料費負担が膨らみ再値上げが必要になるとの見方もあるが、同社は「昨年値上げしたばかりなので現時点で言及できる状況ではない」としている。