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 新型コロナウイルス緊急事態宣言と、まん延防止等重点措置の対象地域に12道県が追加された。17日の対象地域拡大からわずか8日後だ。日本医師会や全国知事会からは、宣言や重点措置の全国拡大を求める声も出ていた。政府が小出しの対応で繰り返し後手を踏む構図に、歯止めが掛からない。

◆西村担当相「私も悩んでいる」

 「こまごまと小出しにしている感がある。こんなにたびたび繰り返して、国民に危機感を持ってと言うのは難しい」。25日の参院議院運営委員会で、宣言地域に追加された愛知県を地盤とする立憲民主党の斎藤嘉隆氏が、政府の対応を批判した。
 西村康稔経済再生担当相も「このような形で毎週毎週お願いし、こういうやり方でいいかは私も悩んでいる」と本音を漏らした。
 東京都に4度目の緊急事態宣言が7月12日に出された後、宣言や重点措置の追加は、今回までの1カ月半で4回に上る。対象は6都府県から、33都道府県に広がった。
 この間、都市部では入院できない感染者が自宅療養中に死亡するケースが相次いだ。今月には感染した妊婦の搬送先が見つからず、生まれたばかりの赤ちゃんが死亡する事案も起きた。

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◆医師会の「全国一律発令」に応じず

 こうした状況に、日本医師会の中川俊男会長は25日の会見で「東京パラリンピックの開催中でも、緊急事態宣言の効果を発揮するためには全国一律の発令が必要だ」と訴えた。全国知事会も20日にまとめた提言で、宣言や重点措置を全国に拡大し、人出を強く抑制するよう求めた。
 全国拡大を巡っては、前回の対象地域追加の際、閣僚の間で議論されたが、菅義偉首相は「一部には過剰な規制となる」と慎重だった。政府関係者は「経済を考えると、人出の対策は今くらいが限界」と経済的配慮を理由に挙げた。
 立憲民主党の安住淳国対委員長は25日、記者団に「政府側から積極的に宣言を出して、感染防止をしていくという姿勢は見られなかった。『戦力の逐次投入』で来たからこんなありさまになる」と批判した。(村上一樹)