https://www.tokyo-np.co.jp/article/125256?rct=national

 日本原子力発電(原電)が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)の審査について、原子力規制委員会が中断を決めた。原子炉建屋直下の断層が地震を引き起こす活断層か否かを判断する地質データを、原電が書き換えたことで自ら招いた結果だ。社内調査ではずさんな管理体制が判明したものの、肝心の書き換えの動機がはっきりとしない。


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◆活断層の可能性根拠 書き換え18カ所

 2020年2月の審査会合で発覚したデータ書き換えは、断層が活断層かを判断するため、ボーリング(掘削)で取り出した地層の説明図で集中的に起きた。
 原電が当初示した資料では、委託した調査会社が肉眼で観察し、地層が固まっていない「未固結」部分があると記載されていた。新しい年代に地層が動くと、固まらないまま残るため、未固結部分は活断層の可能性を示す根拠になる。
 ところが審査途中で、原電は肉眼で「未固結」とされた部分について、顕微鏡で調べて地層が固まっていると判断。説明図を「固結」に書き換えた。
 規制委事務局の原子力規制庁によると、同様の書き換えは18カ所。活断層かを判断する重要な地点に集中している。「固結」から「未固結」への書き換えも6カ所あった。担当者は「生データを書き換える発想が信じ難い」と憤る。

◆原電は「恣意的ではない」

 なぜ原電は科学の基本に反する行為をしたのか。調査によると、原電の地質担当グループは最新の調査結果でデータを上書きしても構わないと認識。17年2月ごろに調査会社とこの方針を共有したが、上司には伝えなかった。その後、書き換えに気付いた上司は「技術的に問題がない」として修正を指示しなかった。
 原電は書き換えを「恣意的ではない」と主張するが、規制庁は調査が不十分と納得していない。規制委が最終的にデータ書き換えを審査を有利にするための「改ざん」と判断すれば、審査で「不許可」にして再稼働を断つこともあり得る。(小野沢健太)