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気になるニュースを転載しています。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/125600?rct=editorial

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 今年四〜六月期の国内総生産(GDP)速報値が二・四半期ぶりにプラスとなった。しかし伸びは微増にすぎず、むしろ景気回復の足取りの弱さを印象づけた。背景にはコロナ禍で明暗を分けた企業業績があり、格差の一層の広がりが心配だ。
 内閣府が今週公表した一次速報によると、GDPはこのペースが一年間続くと仮定した年率換算で1・3%増だった。伸び悩んだのはGDPの五割以上を占める個人消費が低調だったためだ。
 当初、自粛による反動で消費は伸びるとの見方が出ていた。だが実際は、店舗内でも感染の恐れがあるデルタ株への警戒感が広がり、対面消費が低迷した。百貨店などでもクラスターが起きており、この傾向は続くだろう。
 一方、設備投資は伸びた。テレワーク関連への投資が好調だったことが追い風となった。
 財務省によると二〇二〇年度の税収は法人税の伸びが寄与した結果、史上最高を更新した。テレワークや巣ごもり需要を取り込んだIT企業などで好決算が相次ぎ税収増に貢献した。設備投資の伸びはこうした実態を裏付けている。
 だが心配なのは新たな需要とは縁の薄い観光や運輸、飲食といった業界だ。業績は底なしで悪化している。こうした消費に直結した業界の回復なしにはGDPの本格的な伸びは期待できない。
 政府は追加経済対策にコロナ禍の影響が深刻な業界に的を絞った支援を盛り込むべきだ。法人税収で伸びた分を苦戦する業界につぎ込むか、一時的に税を減免するといった対策を求めたい。富の再配分を意識した政策でなければ格差や不公平感は広がるばかりだ。
 対策では低所得層への給付金も検討されている。生活苦の世帯は激増しており給付は必要だ。ただ支援は必要な世帯に迅速に行き渡らなければ意味がない。政府と自治体は過去の失敗を猛省し、協調体制を再構築して支援の実効性を高めてほしい。 

https://www.tokyo-np.co.jp/article/126399?rct=editorial

 二十二日投開票の横浜市長選で野党系の山中竹春氏が、与党系の小此木八郎氏らを破り、初当選した。山中氏の勝利は、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)推進や、新型コロナウイルス対策を巡る失政など、菅政権に対する有権者の厳しい審判でもある。
 小此木氏を支援した菅義偉首相は民意を謙虚に受け止め、IR計画自体を断念し、コロナ対策を抜本的に見直すべきである。
 共同通信社の出口調査によるとIR誘致に「強く反対する」「どちらかといえば反対」を合わせると六割を超えた。
 山中、小此木両氏はともに誘致反対を訴えたが、「反対票」の四割超が山中氏に集まり、小此木氏には二割しか投票しなかった。
 安倍前政権時代からIR誘致を推進してきた首相が、反対の小此木氏を支援したことを有権者は矛盾と受け止めたのではないか。
 IR誘致は横浜市のほか、大阪府・市や長崎県、和歌山県が表明している。
 しかし、IRにはもともとギャンブル依存症などを招くとの懸念が強い上に、新型コロナの感染拡大などで参入を表明していた海外大手企業の撤退も相次ぐ。首相は横浜市民の選択を機に、IR計画自体を見直すべきではないか。
 出口調査によると、新型コロナ対策もIR誘致と並び、投票で最も重視された政策だった。
 横浜市内では一日当たりの新規感染者数が連日、千人を超える。批判の矛先が、有効な対策を打ち出せない菅政権に向けられたことも、新型コロナの専門家をアピールした山中氏の勝因となった。
 首相の地元でもある横浜市長選での小此木氏大敗は、四月の衆参三選挙や七月の東京都議選に続く与党敗北だ。自民党内では十月二十一日に任期満了を迎える衆院の総選挙を戦う上でも、菅氏が首相や自民党総裁として適格か、問う声が高まって当然だろう。
 首相は東京五輪での日本人選手の活躍による高揚感で内閣支持率が上がれば、パラリンピック閉会直後の九月上旬に衆院を解散、勝利し、総裁選も無投票再選できると考えたのだろうが、デルタ株の感染拡大でもくろみは外れた。
 首相が新型コロナを巡る楽観的態度を改めて有効な対策を打ち出し、有権者の信頼を回復しない限り、党総裁選や衆院選を戦い抜くのは困難な局面に来ている。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/126881?rct=editorial

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 アフガニスタンからの拙速な米軍撤退は、米国の信頼を失墜させた。安全保障で米国を頼りにする国では不安が広がる。バイデン大統領=写真、ロイター・共同=は信頼回復に尽くさねばならない。
 米中枢同時テロから二十年にわたるアフガン戦争で、米国は莫大(ばくだい)なコストを払ってきた。米ワトソン国際公共問題研究所によると、米軍の戦死者は約二千四百人。警備業務などを請け負う民間軍事会社職員の死者はそれより多く三千八百人以上に及ぶ。
 戦費は負傷した退役兵士の治療費を含めて二兆二千六百十億ドル(約二百四十八兆七千億円)。日本政府の一般会計当初予算の二年分を超える額だ。
 ただし、最大の犠牲者はアフガンの民間人である。国連アフガニスタン支援団(UNAMA)が集計を始めた二〇〇九年から今年上半期までの民間人の死傷者は五万五千人を数える。
 こうしたあまたの犠牲はいったい何のためだったのだろうか。アフガンの混乱ぶりを見てこう思わざるを得ない。
 米中枢同時テロを受けて北大西洋条約機構(NATO)加盟の欧州諸国もアフガンに派兵し米国に協力した。ところが米国がNATO加盟国の慎重論を振り切って一方的に撤退を進めたことで同盟関係は損なわれた。
 これでは同盟関係を軽視したトランプ前大統領と同じである。アフガンを見捨てた米国への風当たりは強い。
 気が気でないのは、米国をあてにしているウクライナのような国だ。隣国ロシアと対立するウクライナに米国は軍事支援をしているが、プーチン・ロシア大統領の側近のパトルシェフ安全保障会議書記は「アフガンと同じことがウクライナの米国支持者にも起きるだろう」と冷や水を浴びせる。
 バイデン氏は対中国戦略を最重視し、自由主義陣営の結束を求めている。ならば各国と念入りに意見調整を図るべきだ。単独主義では困る。
 他国から寄せられる信頼は米国の財産であり大きな力だった。それをバイデン氏は台無しにした。地道な努力の積み重ねで取り戻すしかない。出直さねば。

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